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「朝日新聞社杯第2期将棋ウォーズ棋神戦inテレ朝夏祭り」に参加してきた③

前回http://fgfan7.hatenablog.com/entry/2016/08/16/182938の続き

予選3回戦

将棋ウォーズ棋譜(success_glory五段対jun419二段)

相手はsuccess_gloryさん。どこまでいってもアマ強豪と当たり続けるのが本大会である。仕方ないと腹をくくった。

私の後手で先手中飛車対左美濃の将棋になった。

下図は先手が▲3八銀と美濃囲いを作ったところ。

f:id:fg_fan7:20160816202854p:plain

すでにこの局面になるまでに棋神を使っていたのでここからは自力で指さないといけない。ここで私は棋神ならどう指すかを考えた。将来的に3四の地点が傷となっており、3四に桂を打たれる展開にしてはマズいと思い、△3三歩と打った。局後の検討でもそこまで悪い手ではなかったようだ。

進んで下図。

f:id:fg_fan7:20160816203310p:plain

ここではかなりいいと思ったが、残り4分7秒しか持ち時間がなく、△6八成桂と△7五同飛の比較をする時間が取れなかった。結局、△7五同飛と取ったがここは△6八成桂と踏み込んだほうが良かった。ここから互いに時間切迫もあり、形勢は混沌とする。

進んで下図。

f:id:fg_fan7:20160816203810p:plain

図の△6六角成と成った局面で互いの残り時間が1分を切った。

まだ互いの玉を詰ます段階の局面には達してはいなく、時間の勝負を意識しはじめた。将棋ウォーズではこのようなケースになることがままある。私は普段からネット将棋でも切れ負けのルールでやることが多く、時間勝負にはそれなりに経験があった。しかし、このような大舞台での経験はなかったので不安はあった。

ここから終局までさらに86手指すことになる。

進んで下図。

f:id:fg_fan7:20160816204435p:plain

もたついたが、ここでは後手勝勢になっている。ここで△2八飛と指していれば先手は受けが難しかった。しかし私は△2九成香と指してしまい、さらにここから疑問手を連発してしまう。時間は私のほうがややsuccess_gloryさんより残っていたがここから先手の凄まじい猛攻がはじまった。

進んで下図。

f:id:fg_fan7:20160816204931p:plain

ここでsuccess_gloryさんの持ち時間は11秒。私は33秒と3倍の差がついていた。しかしここで▲1三銀成が鋭い踏み込み。ここで事態の深刻さに気付いた。あれだけ堅かった後手陣が詰んでしまう可能性が出てきたのだ。

進んで下図。

f:id:fg_fan7:20160816205252p:plain

局面の形勢的には終わっている将棋である。私が終盤で疑問手を連発したのと、success_gloryさんの凄まじい追い込みがあったからだ。なんとか時間を切らして勝つしかないが、自玉が詰んでしまうかもしれない。ここでなけなしの10秒を使って△6六馬▲同金△5三香と指した。先手残り時間5秒、後手8秒。もう直感で指し続けるしかない。

以下最終図。

f:id:fg_fan7:20160816205816p:plain

 

最後は無駄な王手ラッシュをすることになり、ここで先手の持ち時間が切れて私の勝ちとなった。私の残り時間は3秒になっていた。非常に危なかった。先手の最終盤での追い込みが凄まじかった。

この将棋の全体の形勢グラフは以下のようになった。

f:id:fg_fan7:20160816210037j:plain

(全体を通して、後手のほうが形勢がよかったときは長かったが、終盤の時間切迫から疑問手の連発があり、形勢的には先手の勝ち。反省の残る1局だった。)

最後は将棋ウォーズ特有の時間勝負となった。このようなこともこのルールならありうる。

これでなんとか2勝1敗で予選は通過した。

次は決勝トーナメント1回戦だ。

また短い休憩時間が過ぎてすぐに対局が始まった。

(④に続く)