コンピュータ将棋研究Blog

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とっておきの四間飛車破り~これが噂のクルクル角だ!~

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はじめに

今回のテーマは対四間飛車の対策であるクルクル角戦法を紹介したいと思う。

「クルクル角ってなんやねん」と思う方も多いと思うが、

ブログ記事でまとめて下さっている方がいるのでそちらを参考にしていただきたい。

クルクル角ってなんやねん: YATTSUKE BLOG

ではさっそく実戦例を見ていこう。

実戦例

まずは最も基本的な成功例から。

将棋ウォーズ棋譜(2016Pona九段対ryu_jiro三段)

(初手からの指し手)

▲9六歩 △3四歩 ▲1六歩 △4二飛 ▲4八銀 △9四歩 ▲5八金右 △6二玉 ▲2六歩 △3三角 ▲6八玉 △3二銀 ▲5六歩 △7二玉 ▲2五歩
△8二玉 ▲7八玉 △9二香 ▲9七角(下図)

f:id:fg_fan7:20161103160956p:plain

クルクル角は角を97→75というルートで使う。この時、97に角を移動した時に、

53の地点に角成を見せるために

・相手が△5二金左と上がっていないこと

・四間飛車であること(△4二銀と形よく受けることができない)

といった条件が必要となる。

では実戦の進行を見てみよう。

(上図以降の指し手)

△5二金左 ▲7五角 △9一玉 ▲5七角 △8二銀 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 角 △同 角 ▲同 飛 △2三歩▲2八飛 △3三銀 ▲2三飛成
まで33手で先手の勝ち

この将棋では角を57に引いて、以下2筋の交換を目指した。

後手にポカが出たために早い終局となったが、これが基本の狙い筋となる。

では次の例を見てみよう。

将棋ウォーズ棋譜(sutokesia七段対2016Pona九段)

(初手からの指し手)

▲7六歩 △4二玉 ▲6八飛 △8四歩 ▲4八玉 △5二金右 ▲3八玉 △1四歩 ▲2八玉 △1五歩 ▲1八香 △8五歩 ▲7七角 △3二玉 ▲1九玉 △6二銀 ▲2八銀 △1三角 ▲5八金左 △3五角 ▲7八銀 △2二玉 ▲4八金寄 △5四歩 ▲6六歩 △1二香 ▲3九金 △1一玉 ▲6五歩 △5三角(下図)

f:id:fg_fan7:20161103162140p:plain

このクルクル角の囲いは大きく二つに分けて左美濃と居飛車穴熊が有力。

今回の将棋は居飛車穴熊に組んだ例。

図を見ればわかるが、△3四歩と突いていないので角の利きで玉が狙われにくい。

これがクルクル角の強みである。終盤戦でもこの堅さが活きる展開になりやすい。

(上図以降の指し手)

▲6七銀 △2二銀 ▲6六銀 △7四歩 ▲5六歩 △7三桂 ▲8八飛 △3一金 ▲5五歩 △同 歩 ▲同 銀 △6五桂 ▲6六角 △5六歩(下図)

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居飛車穴熊に組み、先手が動いてきたのを逆用し、桂馬を活用した上図はクルクル角の成功だ。後は自陣を気にせず攻めを繋げていけばいい。

さらに次の例。

将棋ウォーズ棋譜(2016Pona九段対mztn7六段)

(初手からの指し手)

▲3八銀 △3四歩 ▲2六歩 △4四歩 ▲6八玉 △4二飛 ▲3六歩 △6二玉 ▲3七銀 △3二銀 ▲5八金右 △7二玉 ▲2五歩 △3三角 ▲9六歩 △8二玉 ▲9五歩 △9二香 ▲9七角 △5二金左 ▲7五角 △9一玉 ▲7八銀 △8二銀 ▲7九玉 △7四歩 ▲6六角 △4三銀 ▲4六銀(下図)

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この将棋では2016Ponaは左美濃に組んだ。この展開は飯島流引き角戦法に似ている。

ただ、飯島流引き角戦法は組み上げるまでの指し手にやや危険が伴う場合がある。

それに比べて、クルクル角は安全に囲うことができる。

上図はまだまだこれからの将棋だが、作戦としては成功している。

他の参考棋譜

将棋ウォーズ棋譜(Pona2015九段対millfy六段)

f:id:fg_fan7:20161103164411p:plain

将棋ウォーズ棋譜(Pona2015九段対ewsyrl五段)

f:id:fg_fan7:20161103164634p:plain

まとめ

今回は将棋ウォーズのponanzaの将棋から紹介したが、

フリーソフトのSILENT_MAJORITYもこの指し方をしてきたことがあるので

今のフリーソフトはクルクル角を一つの有力作戦としてみていると思う。

また、将棋倶楽部24で高段者が指しているのを見たこともある。

成立に条件があるため、ponanza流銀冠穴熊のようにいつでも狙えるわけではないが

覚えておいて損のない作戦だと思う。
まずは練習将棋で試してみてほしい。

そして展開によって左美濃と居飛車穴熊を使い分けてみてほしい。

この記事を読んだ方が実戦でクルクル角を指してみて、

終盤で▲7六や△3四の歩を突いていないことによっての堅さが活きる展開になり

勝利することができたならばこれに勝る喜びはない。

なお、飯島流引き角戦法の指し方のエッセンスも中盤戦以降で活きてくるので飯島流や鳥刺し戦法を得意とする方にもお勧めの戦法である。

参考書籍