コンピュータ将棋研究Blog

Twitterアカウントsuimon@floodgate_fanによるコンピュータ将棋研究ブログです。

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【相居飛車の秘策】ponanza流△7四歩取らせ戦法➀

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近年、コンピュータ将棋は従来には考えられなかった序盤戦術を開拓している。

特にponanzaは「ponanza流」と呼ばれる素晴らしい発想の序盤戦術を多く生み出している。

↓ponanza開発者、山本一成さんによる参考記事

ascii.jp

今回、私が取り上げる△7四歩取らせ戦法はまさに「ponanza流」といったものである。

今までの常識ではありえないといっていいこの作戦。

じっくり調べていこうと思う。

ponanza流△7四歩取らせ戦法の概要

△7四歩取らせ△8五歩型

(初手からの指し手)

▲7六歩 △8四歩 ▲2六歩 △7二銀 ▲2五歩 △3二金 ▲7八金 △8五歩 ▲7七角 △7四歩 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △2三歩 ▲7四飛(下図)

f:id:fg_fan7:20170212141312p:plain

 15手目にして後手1歩損&先手のみ2筋の歩を切るというこの作戦。

後手にとっていいところが何一つないようだが、対策を知らない相手にはいきなり有利に持ち込める変化もある

(上図からの指し手)

△7三銀 ▲7五飛 △6四銀 ▲2五飛 △3四歩 ▲6八銀 △7七角成 ▲同 桂 △1四角

(下図)

f:id:fg_fan7:20170212141758p:plain

角交換をしてこの△1四角が狙いの筋である。

ここで▲4五飛なら△3三桂▲4六飛△5五銀でやはり△4七角成が受からない。

私はネット将棋でこの戦法を何度も指しているが、この筋にハマルことは案外多い。

序盤早々で馬を作ることが出来れば大成功だろう。

参考棋譜①(↑の将棋)

将棋ウォーズ棋譜(nagaoneko六段対2016Pona九段)

参考棋譜②

将棋ウォーズ棋譜(pona_children4級対2016Pona九段)

f:id:fg_fan7:20170212142742p:plain

参考棋譜③

将棋ウォーズ棋譜(akari2010五段対2016Pona九段)

f:id:fg_fan7:20170212144642p:plain

△7四歩取らせ△8四歩型

将棋ウォーズ棋譜(futossy五段対2016Pona九段)

(初手からの指し手)

▲2六歩 △8四歩 ▲2五歩 △3二金 ▲7八金 △7二銀 ▲7六歩 △7四歩 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △2三歩 ▲7四飛(下図)

f:id:fg_fan7:20170212143431p:plain

ponanzaはこの△7四歩取らせ戦法をもちいる際に、ビミョーに指し方を変えている。

具体的には後手の飛車先の歩が8三か8四か8五の場合があるのだ。

今回は△8四歩型だが、これがどう出るか。

(上図からの指し手)

△7三銀 ▲7五飛 △6四銀 ▲2五飛 △8五歩 ▲6六歩 △8六歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲8七歩 △8二飛 ▲6八銀 △4一玉 ▲4八玉 △3四歩 ▲3八玉 △5二金
▲2八玉 △4四角(下図)

f:id:fg_fan7:20170212143910p:plain

タイミング遅れての△8五歩に先手は歩を切らすのを受けなかった。

これを見て後手も8筋の歩を切る。上図は一局ながら、後手の6四の銀が好位置なため、満足な序盤の分かれとなった。

参考棋譜

将棋ウォーズ棋譜(chanriri四段対2016Pona九段)

f:id:fg_fan7:20170212144420p:plain

△7四歩取らせ△8三歩型

将棋ウォーズ棋譜(pikachu_of_ks24級対2016Pona九段)

(初手からの指し手)

▲2六歩 △3二金 ▲7六歩 △7二銀 ▲2五歩 △7四歩 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △2三歩 ▲7四飛(下図)

f:id:fg_fan7:20170212145348p:plain

後手が飛車先の歩をひとつも伸ばさずに7四の歩を取らすパターン。

(上図からの指し手)

△7三銀 ▲7五飛 △6四銀 ▲2五飛△8四歩 ▲6八銀 △3四歩 ▲7七銀 △8五歩 ▲7八金 △4二玉 ▲4八銀 △4四角 ▲5八金 △2二銀 ▲6六歩 △3一玉 ▲5六歩 △5四歩▲5七銀 △5五歩 ▲6七金右 △5六歩 ▲同 銀 △5五歩 ▲6五銀 △同 銀 ▲同 歩 △5六銀(下図)

f:id:fg_fan7:20170212145604p:plain

この場合、先手は矢倉を選択することができるが、それは後手の望むところ。

後手は囲いもそこそこに5筋から速攻を仕掛ける。

矢倉は手数が掛かる割には堅くないので、このような速攻が効果的になる。

参考棋譜

将棋ウォーズ棋譜(pagagm六段対2016Pona九段)

f:id:fg_fan7:20170212145946p:plain

先手番▲3六歩取らせ

将棋ウォーズ棋譜(2016Pona九段対Eminemnem六段)

(初手からの指し手)

▲2六歩 △3四歩 ▲2五歩 △3三角 ▲3八銀 △8四歩 ▲9六歩 △8五歩 ▲7八金 △3二金 ▲3六歩 △8六歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲8七歩 △3六飛(下図)

f:id:fg_fan7:20170212150229p:plain

この戦法は主に後手番で使われるが、先手番でも応用が可能だ。

先手番の場合、▲9六歩と端歩が入っている場合が多い(もしくは▲1六歩。)

ちなみに、本譜の▲8七歩で▲3七銀と指しておけば3筋の歩は取られることはない。

(▲9六歩が突いてあるため。後手番だと端歩が突いていないので角頭に歩を打たれて、角が詰む。)

しかし、ponanzaはあえて、3筋の歩を取らせることが多い。

おそらく歩を取らせても十分戦えると考えているからだろう。

(上図からの指し手)

▲3七銀 △3五飛 ▲6九玉 △8五飛 ▲4六銀 △4一玉 ▲6八銀 △6二銀 ▲7六歩 △4二銀 ▲7九玉 △5一金 ▲3七桂 △4四歩▲5八金 △4三銀 ▲6六歩 △4二金上 ▲6七銀 △3一玉 ▲7七角 △9四歩 ▲5六歩 △6四歩 ▲6八角 △6三銀 ▲5五歩

(下図)

f:id:fg_fan7:20170212150753p:plain

本譜はじっくりした戦いになった。このように、このponanza流は激しい変化もあれば、おだやかな変化もある。まさに変幻自在、相手の指し方を見て作戦を柔軟に切り替える姿勢が必要になってくる。

参考棋譜①

将棋ウォーズ棋譜(2016Pona九段対Seymour六段)

f:id:fg_fan7:20170212151119p:plain

参考棋譜②

将棋ウォーズ棋譜(2016Pona九段対supercar五段)

f:id:fg_fan7:20170212151311p:plain

参考棋譜③

将棋ウォーズ棋譜(2016Pona九段対payday三段)

f:id:fg_fan7:20170212151522p:plain

まとめ

ponanza流△7四歩取らせ戦法はこんな人におススメです!

まだ未開拓の戦法を指してみたい人

(既存の定跡はつまらないという人)

・後手番の戦法に悩んでいる人

(角換わりは▲4五桂速攻が嫌だし…)

・ponanza流を極めたい人

(ponanza流は対振り銀冠穴熊だけではない!)

次回は未定…です。