コンピュータ将棋研究Blog

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ponanza300万チャレンジを終えて

はじめに

ただただponanzaは強かった。

1日目37勝、2日目42勝で全体の成績は79勝0敗。

ponanzaに詰めろをかけることができたのは1局のみで、評価値で見ると中盤で先手+100に傾いた将棋は1局もなかった。

この結果を見て、今まで人間が作り上げてきた序盤の定跡というものをまた1から考え直さないといけない時期にきているのかもしれない。

ponanzaの指し方としては私がBlogに書いた戦術予想とそれほどかけ離れてはいなかったが、やはり序盤でランダム性を持たしているのでなかなか挑戦者の用意してきた作戦に持ち込むというのは難しかったようだ。

以下、戦型別に一言感想。

相居飛車

矢倉ではじっくり組み合う相矢倉の将棋は皆無であり、ほとんどが急戦志向の将棋となった。

これはponanzaが矢倉という戦法に対し「じっくり組み合うものではないのですよ」と語りかけているように感じられた。

角換わりは腰掛銀ではやはり△6二金△8一飛の形が指された。この形は最近プロ間でも流行の兆しがみられるという。

一気に研究が進む可能性がある。また早繰り銀も指された。

こちらもこれから研究が進むだろう。

また、ponanzaの角換わり右玉対策も見事だった。

横歩取りはやはり予想通り最新の流行形に近かった。

しかし序盤の早いタイミングでの△9四歩など非常に参考になる手が多かった。

振り飛車

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ノーマル四間飛車に対するponanzaの対策は急戦から持久戦まで多彩で見ていて非常に参考になる筋が多かった。

図は富沢キックと呼ばれる攻め方でこれと銀冠穴熊を組み合わせた構想が素晴らしい。

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また2手目△3二金からの構想でこのような変わった玉形からの急戦も見られた。

人間間で通用しないと見られた戦法が少し形を変えてこのように指されているのをみると将棋というのはとても奥深いものなのだと改めて感じた。

角交換振り飛車はponanzaは非常に隙のない駒組みから穴熊に組み替え、細かい攻めを繋げていた。

ここらへんは渡辺竜王などのトップ棋士と感覚はあまり違わないと感じた。

三間飛車にはponanzaは端の位をとってからの銀冠が印象に残った。銀冠が今後対振り飛車で流行していくと思った。

中飛車には超速のような基本に忠実な指し方をしていると思った。じわじわと有利を拡大していく印象。

アンチコンピュータ戦略

△3八角戦法や△2八角戦法には結局一切ponanzaはハマらなかった。

bidが入っていたのかはわからないが、今後このような角打たせの戦術はもう通用していかなくなるだろうと思った。

最後に

これは私の事になるが、また来年このイベントが開催されるかもしれないが今のところ参加を希望するかは未定だ。

今回、自分より実績のある人が有利の局面にすら持っていけなかったのを見て少なからず衝撃を受けたし、自分の将棋感を変えていく必要性を感じた。

私はponanzaに対して変則矢倉(24でのVerdictさんの模倣)を指したが完敗だった。

ひょっとすると今回の将棋で私は矢倉を指すのが最後になるかもしれない。

ponanzaの将棋を見て序盤から積極的に攻めていくことの重要性を感じたので、今後自分の将棋にもponanzaの将棋のいいところを頑張って取り入れていきたいと思う。