はじめに
第26回世界コンピュータ将棋選手権で準優勝した将棋ソフト「技巧」が公開された。以下のリンクからダウンロードできる。
https://github.com/gikou-official
将棋世界2016年7月号に技巧開発者の出村さんより次の言葉がある。
「(略)今後の目標としては、技巧のオープンソース化(無料公開)を行っていきたいと考えております。局面検討などにご利用いただき、少しでも将棋ファンの方々の研究のお役に立てればと思っております」
私は今回技巧が公開されたことに非常に感謝しており、技巧を使った研究方法の一例を明示できないかと考えた。人によっては「もう知っているよ」と思うかもしれないがその方法について考察していきたいと思う。
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技巧を使って棋譜並べをする
私のお勧めは解説書きの多い棋譜を並べること。
本に載っている解説に加え、技巧の評価値と読み筋を見ることができるのでより多角的にその将棋について学ぶことができる。Twitterでこの棋譜並べの方法で新たな手を見つけられた方もいる。
鋭いなー
— ぬー (@bluestream58) 2016年6月2日
ソフトで解析しながら棋譜並べを行うと、プロ棋士の感覚に加えてソフトの感覚も吸収できるので一石二鳥では? pic.twitter.com/zJd3SMviqv
羽生渡辺の2008年竜王戦第一局で有名な、羽生さんの△6四角打
— ぬー (@bluestream58) 2016年6月2日
渡辺さんが「ここで指す手がなかった」とぼやき、羽生さんの大局観すげえとなった将棋だが、実は4五銀とかいう衝撃の手があったようで pic.twitter.com/9rK5NbamCS
このような新たな発見もあるのでこの方法はお勧めである。
技巧を使って棋譜解析する
ネット将棋やリアル大会などの将棋の棋譜を解析させてどこが悪かったのかを検討する。特に持ち時間の長いリアル大会で形勢判断が難しかった局面、長考した局面を重点的にみるのが私のお勧めだ。
指す手に困った局面で技巧に棋譜解析させてみると実は評価値的にはこちらが有利だったことが分かったこともあった。
このように形勢判断の修正に将棋ソフトは役に立つ。
これも技巧の出村さんの言葉である。
「技巧」は、2016年の世界コンピュータ将棋選手権で準優勝した将棋ソフトです。 人間的な評価項目(1駒の損得、2駒の効率、3玉の堅さ、4手番)を考慮した隙のない形勢判断などを特徴としています。
このように特に技巧は人間的な形勢判断に優れた将棋ソフトといえる。
技巧を使って指定局面から連続対戦させる
この方法はShogiGUIで行う。
棋書に載っている局面でもいいし、自分が疑問に思っている局面でもいい。
そして生成された棋譜からパソコンで棋譜を並べてもいいし、スマホやタブレットに棋譜を移して鑑賞するのもいいだろう。
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④技巧と対戦する
腕自慢の方は平手で対戦してもいいし、私のお勧めは平手・香落ち・角落ちである。
これ以上駒を落とすと技巧が穴熊に組んでしまうので練習には適さないと思う。
※注 最近のソフトは駒落ちの指し方もかなりうまくなってきている。
⑤技巧に定跡を作ってもらう
千田五段のブログ記事を参照。
http://blog.livedoor.jp/mizumon_/archives/1635557.html
このような感じである。
これ以外にまたいい方法が思いついたら追記します。
続編記事はこちらから