はじめに
今回、表題の通りfloodgateで指されたponanzaの対振り飛車 左美濃・銀冠・銀冠穴熊の棋譜集をzip形式でアップロードすることにした。
棋譜を抽出する際に行った点
・中飛車、四間飛車、三間飛車、その他(主に角交換型とノーマルの向かい飛車)で分類
・手数があまりに短いものは除外した。
・レートがかけ離れているソフトとの対局は除外した。
・部分図局面検索で抽出したが、中には抽出し損ねている棋譜があるかもしれない。
・戦型分類には気をつかったが中には分類ミスがあるかもしれない。
zip形式のファイル
ponanza 左美濃・銀冠・銀冠穴熊.zip - Google ドライブ
ファイルの内訳
四間飛車(美濃・穴熊)72局
三間飛車 24局
中飛車 10局
その他 18局
計 124局
戦型別ワンポイント
四間飛車
四間飛車に対するponaznaの指し方は多岐にわたる。
序盤の駆け引きによって右銀の位置(4八、3七、5七、4六など)や9筋の端歩の配置が変わっていたりする。
また、必ずしも▲6六角と上がる必要性はなく展開によっては▲6六歩と突いたり、そのまま▲7七角と上がることもある。
この72局を並べることによっていろいろな展開での戦い方を吸収してほしいと思う。
- 右銀と端歩の位置にはさまざまな形がある
- 必ずしも▲6六角と上がるわけではない
- 棋譜から玉頭攻めの対処法を学ぼう
三間飛車
三間飛車に対しても銀冠穴熊を目指す駒組みは有力である。
個人的な好みは下図のような▲4六銀・▲3七桂型(下図は銀冠穴熊側が後手なので△6四銀・△7三桂型)。
後手:ponanza 後手の持駒:なし 9 8 7 6 5 4 3 2 1 +---------------------------+ |v香 ・ ・ ・ ・ ・ ・v桂v玉|一 | ・v飛 ・ ・ ・ ・v金v金v香|二 |v歩 ・v桂v歩v歩v歩v角v銀 ・|三 | ・ ・v歩v銀 ・ ・v歩v歩v歩|四 | ・v歩 ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・|五 | ・ ・ 歩 歩 歩 ・ 歩 歩 歩|六 | 歩 歩 ・ 銀 ・ 金 桂 銀 ・|七 | 香 ・ 飛 角 ・ ・ 金 玉 ・|八 | ・ 桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 香|九 +---------------------------+ 先手:先手 先手の持駒:なし 手数=46 △7三桂 まで
この後は、5筋の歩を伸ばして△5五歩から攻めていったり、振り飛車側の角が6八(8筋の利き)からそれたら8筋の突破を狙う。
もちろん、これ以外の指し方も有力なので棋譜24局をじっくり鑑賞して指し方のコツを掴んでほしい。
- ▲4六銀・▲3七桂型は有力
- 右銀を囲いの側に引っ付ける形もある
- 固さを生かして一手勝ちを狙おう
中飛車
ponanzaは後手番で早めに△3二金と上がることがあり、それに対して先手が中飛車にしてその時に銀冠穴熊を目指す時がある。
また、5筋を厚くするために高美濃に組む指し方も有力だ。
左美濃の状態で開戦することも多く、銀冠穴熊に組めるときだけ銀冠穴熊を目指すようにしよう。
- 早めの△3二金も悪くない
- 5筋強化の高美濃が有力
- 左美濃のままでの戦いを想定しよう
その他(角交換型とノーマルの向かい飛車)
以前から向かい飛車に対して居飛車側は左美濃から銀冠、そして銀冠穴熊に組み上げる指し方が有力とされてきた。
向かい飛車特有の指し方として飛車先の突破を狙ってくる指し方が考えられるが、正確に対処すれば大丈夫だろう。
詳しくは棋譜をじっくり鑑賞してもらいたい。
振り飛車側は飛車を別の筋に振り直す指し方も多く、その場合は他の筋に飛車を振った場合の棋譜が参考になるだろう。
- 向かい飛車に対する銀冠穴熊は以前から有力視されてきた
- 飛車先を突破されない指し方をマスターしよう
- 他の筋に飛車を振った場合の棋譜も参考にしよう
まとめ
向かい飛車以外の振り飛車に対しての左美濃・銀冠・銀冠穴熊の戦い方はまだ指されはじめたばかりで居飛車・振り飛車側ともに工夫の余地はたくさんある。
今回の棋譜集でたくさんの棋譜を鑑賞し戦い方の感覚を掴んだらネット将棋等で実践してみてほしい。そして試行錯誤を繰り返すことによって戦い方のコツを身につけていこう。
参考書籍
対四間飛車、対四間飛車穴熊、そして対向かい飛車における銀冠穴熊の戦い方を体系的に学べる本。
アマチュア初段前後の方にとってはこの作戦をマスターしたら対振り飛車の勝率はきっと上がることだろう。
高段クラスになるとこの一冊の知識だけではなくさまざまなパターンにも対応しなければ勝てないが、今回紹介した棋譜や最新ソフトを使った検討と併用することでこの戦法をレパートリーのひとつに取り入れてほしいと願っている。