コンピュータ将棋研究Blog

Twitterアカウントsuimon@floodgate_fanによるコンピュータ将棋研究ブログです。

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ーおすすめ記事ー

2016-01-01から1年間の記事一覧

ponanzaの棋譜から作った新定跡ファイルの公開(2016/12/30版)

この一年間、コンピュータ将棋研究Blogを閲覧していただきありがとうございました。 そこで、読者の皆様に少し早めのお年玉をプレゼントする。 以前に公開したponanzaの定跡ファイルは2016/6/17までのデータだったので、 www.fgfan7.com さらにそこから2016/…

角換わり右玉対策ー中住まいバランス型ー

はじめに アマチュア間では根強い人気がある角換わり右玉。 今までも本Blogではその対策記事をいくつか書いてきた。 www.fgfan7.com www.fgfan7.com また、豊島の将棋 実戦と研究という棋書に載っている銀矢倉から穴熊に組み替える作戦も対角換わり右玉の作…

続・とっておきの振り飛車退治~ponanza流銀冠穴熊~

はじめに 以前に執筆したponanza流銀冠穴熊の記事は大きな反響があった。 www.fgfan7.com たくさんの方に興味を持っていただけたようで、プロ棋士の増田康宏四段にも興味を持っていただけたのを知ったときは嬉しかった。 @wakate_shogi 増田先生、はじめまし…

ponanzaに学ぶ、最大の難敵先手中飛車攻略その3

ponanzaに学ぶ、最大の難敵先手中飛車攻略その2では先手中飛車に対する基本図から▲5七銀の変化をみてきた。 今回のその3では基本図から▲6六歩の変化をみていきたいと思う。 これには⑴△7五歩と⑵△6四銀が有力手となる。順にみていこう。

橋本崇載八段著「棋士の一分 将棋界が変わるには」を読んで

本書に関して私が呟いたツイートのまとめです。 橋本さんの新書は買うと思います。余力があればレビューします。棋士の一分 将棋界が変わるには (角川新書) 新書 – 2016/12/10橋本 崇載 (著)— suimon (@floodgate_fan) 2016年12月7日 橋本八段の新書、半分く…

2016年を振り返って-Blog回顧録-

本記事では2016年に執筆した記事について月ごとに振り返りたいと思う。 当時書けなかった裏話なども交えて書いていきたい。 2016年1月 www.fgfan7.com アンチコンピュータ戦略についての考察。 この△5八角と打たせる作戦は初期の頃に発見された戦略である。 …

定説への挑戦ー新竹部流横歩取り▲3三飛成戦法ーその2

はじめに 前回に続いて横歩取り新竹部流▲3三飛成の将棋を検討していく。 www.fgfan7.com 新竹部流は5八玉、4一玉が入った形での▲3三飛成の強襲である。 まずここで横歩取り▲5八玉型のメリットについて簡単に考察してみる。 手数=29 ▲8五飛成 まで 後…

定説への挑戦ー新竹部流横歩取り▲3三飛成戦法ーその1

新竹部流横歩取り▲3三飛成戦法の実戦例 先日、いつものように将棋ウォーズの2016Ponaの将棋を鑑賞していた時に興味深い将棋を発見した。それがこの将棋である。

やねうら王2017 Earlyを40コア80スレッドパソコンでさっそく使ってみた

12/5、やねうら王にまた新たな改良が施された。 github.com 新ソフト名は、その名も「やねうら王2017 Early」 そのソフトの説明を読んでみると、 YaneuraOu/YaneuraOu-2017-early-readme.txt at master · yaneurao/YaneuraOu · GitHub 複数CPU搭載のときに全…

第2期叡王戦決勝三番勝負 第1局 リアルタイム実況

私の戦型予想 叡王戦決勝3番勝負 戦型予想◉角換わり腰掛け銀◎横歩取り○矢倉左美濃急戦△居飛車力戦— suimon (@floodgate_fan) 2016年12月4日 千田五段の先手で戦型は横歩取り。 7手目▲2四歩から前例の少ない形に。 11手目▲5八玉はponanza流。 将棋ウォー…

ソフトから学ぶ終盤講座ー美濃崩し 中級編ー

前回(初級編)の続き www.fgfan7.com 今回は中級編としてfloodgateの棋譜を題材にして中盤の終わり~終盤の実戦の美濃崩しのテクニックを学んでいきたいと思う。 ではさっそく始めよう。 例題 Gekisashi_X5590_7c vs. PuppetMaster (2013-03-06 02:30) http…

floodgate公式サイトからコンピュータ将棋の棋譜をダウンロードしデータベースに登録する手順(2016/12/03)

そろそろ2016年も終わりに近づいてきているので タイトルの通り、floodgate公式サイトから棋譜をダウンロードして展開し、柿木将棋IXの棋譜データベース(kifubase)に登録する方法を紹介したいと思う。 ※(2016/12/03)で可能な方法です。今後仕様の変更な…

コンピュータ将棋から学ぶ終盤講座ー美濃囲いの崩し方 初級編ー

はじめに 今回から終盤講座としてコンピュータ将棋の棋譜から終盤の寄せのテクニックを学んでいきたいと思う。 第一回は美濃囲い崩しを学んでいきたい。 初回は初級編と題して級位者~初段くらいの方を対象に基本的な例を紹介する。 ではさっそく始めよう。 …

【floodgate名鑑】luminosの魅力【コンピュータ将棋】

はじめに (それはまさに伝説だった) https://shogi.io/kifus/230923 開始日時:2014/04/21 15:00:05棋戦:wdoor+floodgate-900-0+sakurapyon_vps+luminos+20140421150011先手:sakurapyon_vps後手:luminos まずはこの終局図を見て欲しい。 手数=642 △2…

【コラム】駒落ちについて①

私が小学生の頃から通っている将棋センター歩では手合い割に応じて駒落ち将棋が取り入れられています。 以下のように手合いが決まります。 ・同段級 平手 振り駒 ・1階級差 平手 ひとつ下が先手 ・2階級差 香落ち ・3階級差 角落ち ・4階級差 飛車落ち ・5階…

アンケートフォームを設置しました

今後より良い内容のBlogを目指すためにアンケートフォームを設置しました。 「こんな内容の記事を読んでみたい」 「この記事が面白かった」 など、ご意見、ご要望をお待ちしております。 ご協力よろしくお願い致します。 読み込んでいます...

ponanzaに学ぶ、最大の難敵先手中飛車攻略その2

はじめに 前回の続き www.fgfan7.com 前回は先手中飛車に対する居飛車側の最序盤に注意すべき駒組みについて解説した。 いよいよその2では2016Ponaの実戦例をみていこうと思う。 はじめに 対先手中飛車の基本図からの指し手 基本図から①▲5七銀の変化 まと…

ponanzaに学ぶ、最大の難敵先手中飛車攻略その1

はじめに 現在の先手振り飛車のエース戦法といえば、中飛車と答える人が多いだろう。 従来の角道を止める指し方ではなく角交換を恐れない中飛車の出現により、振り飛車党の中飛車の採用率が激増している。多くの居飛車党の方が先手中飛車に苦労している話を…

【コラム】影響を受けた伝説の将棋研究ブログ

ブログサービスが開始されてから、すでにかなりの年月が経ちましたが、現在は再度ブログが注目されていると先日読んだ本に載っていました。 それはSNSと連動して読んでもらえるという繋がりが生まれてきたからだそうです。 私もブログサービスが開始された当…

【未来の定跡】将棋ユニーク戦法一挙公開!

はじめに 今回の記事は次のような方に特におすすめである。 ・まだほとんどの人が研究していない戦法を新たに開拓したい ・コンピュータ将棋特有の変わった戦法が大好き ・未来の定跡を先取りしたい また今回紹介するユニーク戦法にはできるかぎり戦法名はつ…

suimonの願い-将棋界が盛り上がってほしい-

映画「聖の青春」が公開されました。まだ私は観に行けてないですが、都合がつけば観に行きたいです。また来年には「3月のライオン」の劇場公開も決定しています。また、電王戦もあります。今将棋界は将棋ブームを引き起こすチャンスを迎えていると思います。…

最強の証明 ―石田流本組み破りponanza流△6三金型―

はじめに 石田流三間飛車はアマチュアにも人気の高い戦法で勝率も高く、苦手としている方も多いと思う。主な対策としては左美濃(銀冠)、棒金、右四間飛車、居飛車穴熊などがあるがどれも難解で決定打にはなっていない。 今回は将棋ウォーズの2016Ponaの将…

対矢倉左美濃急戦の逆襲~後手の秘策△8三飛編~(2016/11/19)

前回の記事では対矢倉左美濃急戦の逆襲~先手対策確立編~(2016/11/12) - コンピュータ将棋研究Blog先手の居玉+▲4六角型という対策が優秀という内容であった。 今回はそれに対する後手の秘策を紹介していきたいと思う。 棋戦:第4回将棋電王トーナメント …

【コラム】将棋クエストの話

昔はネット将棋と言えば将棋倶楽部24が1強の時代が長らく続いていた。 しかし、近年に入ってから多くのネット上で対局できるサイトが出てきている。 その多くの対局サイトの中で私が最も多く指したのが将棋クエストである。 今回はその将棋クエストでの思い…

【コラム】大学将棋の話①

私が学生将棋に身を置いていたのも、もうかれこれ10年くらい前の話になる。今回はその時の思い出話を書いてみようと思う。 ・大会の持ち時間が秒読み60秒に 晴れて受験勉強が終わり、大学将棋界に身を置くことになったが、半年ほどほとんど将棋をしていなか…

自己紹介

【名前】 西村 文登 【棋歴】 約20年 【棋力】 免状五段,将棋クエスト2分八段(最高2516)※2018/03/23に八段へ昇段 【主な実績】 小学生名人戦、倉敷王将戦三重県代表 全国中学生選抜将棋選手権大会4位 全国高校将棋竜王戦ベスト16 全国高校将棋選手権大会 …

【コラム】ソフト研究は対振り飛車に弱くなるのか?

次回のテーマの執筆に苦戦しているので、今回は視点を変えて「ソフト研究は対振り飛車に弱くなるのか?」というテーマでコラムを書いてみようと思う。 私の見解を先に記すと「方法さえ間違わなければむしろ対振り飛車に強くなれる」である。 ではその具体的…

対矢倉左美濃急戦の逆襲~先手対策確立編~(2016/11/12)

矢倉の対する左美濃急戦が流行り出したのは今年に入ってからだが、プロ間でもそこそこの対局数を数えることになり、先手側の対策もある程度確立されてきているのを感じる。 その対策はわかりやすく言うと、居玉+▲4六角型である。 後手の形にもよるがほとん…

とっておきの四間飛車破り~これが噂のクルクル角だ!~

はじめに 今回のテーマは対ノーマル四間飛車の対策であるクルクル角戦法を紹介したいと思う。 「クルクル角ってなんやねん」と思う方も多いと思うが、 ブログ記事でまとめて下さっている方がいるのでそちらを参考にしていただきたい。 クルクル角ってなんや…

『別冊宝島 将棋「名勝負」伝説』を読んで③

前回の続き http://fgfan7.hatenablog.com/entry/2016/10/28/121845 ③では 「ソフト時代」3つの課題に将棋界はどう立ち向かうのか の記事について見ていきたいと思う。 執筆者は「不屈の棋士」の著者、大川慎太郎氏。 はじめに議題として3つのものが上がっ…