はじめに
石田流三間飛車はアマチュアにも人気の高い戦法で勝率も高く、苦手としている方も多いと思う。主な対策としては左美濃(銀冠)、棒金、右四間飛車、居飛車穴熊などがあるがどれも難解で決定打にはなっていない。
今回は将棋ウォーズの2016Ponaの将棋からとっておきの石田流対策である△6三金型を学んでいきたいと思う。
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石田流本組み破りponanza流△6三金型の実戦例
実戦例1(対石田流▲9七角型)
動く将棋盤は以下のリンクから
(初手からの指し手)
▲7六歩 △3四歩 ▲7五歩 △4二玉 ▲6六歩 △8四歩 ▲7八飛 △8五歩 ▲7六飛 △1四歩 ▲1六歩 △3二銀 ▲4八玉 △6四歩 ▲3八銀 △7二金 ▲3九玉 △6三金
(下図)
左美濃から早々と△6三金型に構えるのが、今まで見なかった構想だ。
従来の指し方では△6三銀型に構えることが圧倒的に多い。
(参考図)
この違いは手順を追うごとにはっきりしてくる。
実戦の進行を見てみよう。
(本譜局面図再掲)
(上図からの指し手)
▲5八金左 △6二銀 ▲9六歩 △3一玉 ▲2八玉 △5四歩 ▲7七桂 △3三角 ▲9七角 △2二玉(途中図)
▲6八銀 △9四歩 ▲5六歩 △2四歩 ▲5七銀 △2三銀 ▲4六銀 △3二金 ▲3六歩 △5三銀(下図)
駒組みが進み、先手は美濃囲い、後手は銀冠に組み上げた。38手目△5三銀まで進んだ局面だが、△6三金型が先手の左辺のさばきをガッチリガードしているのはおわかりだろうか。ここでも従来の駒組みと比較してみよう。
(参考図)
本譜とは先手の銀の位置が違うが、参考図と比較すると後手の5~7筋が手厚く感じられると思う。石田流対策で大事なのは「石田流の左辺の攻め駒をさばかせないこと」
これに尽きる。△6三金は好形なのである。では実戦の進行を見よう。
(本譜局面図再掲)
(上図からの指し手)
▲2六歩 △4四銀 ▲4八金寄 △1二香 ▲3七桂 △1一玉 ▲2七銀 △4二角 ▲3八金上 △3三銀 (途中図)
▲6五歩 △同 歩 ▲5五歩 △2二銀 ▲5四歩 △同 金 ▲7四歩 △9七角成 ▲同 香 △6七角(下図)
ponanzaお得意の銀冠穴熊に組み、駒組みが飽和した先手が動いてきたのをカウンターした図の局面は先手の飛車が捕まっている(▲7五飛なら△6四金)。
ここでも中央の金が大活躍しているのがわかるだろう。後は玉型の堅さが違うので攻め合えば一手勝ちが見込める。
類似局参考棋譜
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では次の例を見てみよう。
実戦例2(対石田流▲7七角型)
(初手からの指し手)
▲7六歩 △3四歩 ▲7五歩 △1四歩 ▲1六歩 △4二玉 ▲6六歩 △8四歩 ▲7八飛 △3二銀 ▲4八玉 △8五歩 ▲7六飛 △5二金右 ▲6八銀 △6四歩 ▲3八銀 △6三金
(途中図)
▲3九玉 △6二銀 ▲6七銀 △3三角 ▲5六銀 △5四金
(途中図)
▲7七角 △3一玉 ▲5八金左 △2二玉 ▲2八玉 △6三銀 ▲4六歩 △2四歩 ▲3六歩 △2三銀 ▲2六歩 △3二金
(下図)
石田流▲7七角型は強敵だがこれには△6三金~△5四金でさばきを封じる。
従来なら上図の局面では△5二金型の為、▲6五歩からの攻めがうるさかったが今回は△5四金型の為、△同歩と取っておけば二の矢がない。
さらに本譜はこの△5四金が大活躍することになる。
(上図からの指し手)
▲9八香 △7二飛 ▲8六歩 △8二飛 ▲8五歩 △同 飛 ▲8六歩 △8二飛 ▲9六歩
△6五歩 (途中図)
▲同 銀 △5五金 ▲7四歩 △同 歩 ▲5六歩 △4六金 ▲2七銀 △2五歩 ▲同 歩 △2六歩 ▲同 銀 △3六金(投了図)
まで58手で後手の勝ち
先手は後手の△5四金型の前に攻めの糸口がつかめない。その間に後手は攻め、なんと△5四金がナナメに先手陣へ攻めていき手を作ってしまった。
投了図の局面は先手は収拾不能になっており(この後、後手は銀を取って△7五銀打を狙う)、投了も仕方ない。
類似局参考棋譜
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参考棋譜集
その他参考棋譜①
その他参考棋譜②
その他参考棋譜③
その他参考棋譜④
その他参考棋譜⑤
その他参考棋譜⑥
その他参考棋譜⑦
その他参考棋譜(floodgateより)⑧
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対石田流△6三金のまとめ
・石田流には△6三金で左辺をガッチリガード。さばかせないことが大事。
・▲7七角型には△5四金が好形。この金で中央を制圧しよう。
・展開によっては銀冠穴熊への組み替えが有力。しっかり玉型を堅くして一手勝ちをしよう。
※まだ検索したらこの石田流破りponanza流△6三金型の将棋はヒットする。
熱心な読者の方は是非棋譜データベースを導入して検索してみて欲しい。
参考記事
将棋ウォーズ2016Ponaの棋譜から特定の局面を検索する方法 - コンピュータ将棋研究Blog
↓参考書籍 対石田流の中終盤の戦いのコツをつかむのにお勧めの棋書です。