はじめに
その1では角換わり▲4五桂速攻の対居玉+△4四銀と対居玉+△2二銀についての基本的な攻め筋を見てきた。
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今回は復習として対居玉+△4四銀の形をもう一度おさらいしようと思う。
実戦例その1(対居玉+△4四銀)▲4四飛~▲5三桂成
動く将棋盤は以下のリンクから
https://shogi.io/kifus/234695
(初手からの指し手)
▲2六歩 △3四歩 ▲4八銀 △8四歩 ▲2五歩 △3三角 ▲7六歩 △2二銀 ▲3三角成 △同 銀 ▲8八銀(途中図)
△9四歩 ▲7七銀 △9五歩 ▲3六歩 △7二銀 ▲6八玉 △3二金 ▲4六歩 △7四歩 ▲3七桂 △6四歩 ▲4五桂 △4四銀(下図)
後手は端に2手かけている為、中央が手薄になっている。
ここは一気に決めるチャンスだ。
(上図からの指し手)
▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △2三歩 ▲3四飛 △6三銀 ▲4四飛 △同 歩 ▲5三桂成
(下図)
2筋の歩を切り、▲3四飛が習いのある筋。△6三銀と飛車で3二の金にヒモをつけたのに対して、▲4四飛△同 歩▲5三桂成がこの戦法で頻出する筋である。
上図は5三に桂馬が成り込み大成功の図だが、意外とこの後の攻め方が知られていないのでこの先の進行も見てみよう。
(上図からの指し手)
△5二銀 ▲同成桂 △同 玉 ▲1六角(途中図)
△5一玉 ▲2二歩 △同 金 ▲5三銀 △3二金 ▲6一角成 △同 玉 ▲8三銀
(途中図)
△5二飛 ▲6三金 △5三飛 ▲同 金 △7一角 ▲4一飛 △5一歩 ▲6三金(投了図)
まで53手で先手の勝ち
△5二銀▲同成桂△同 玉と進んだ局面で▲1六角(途中図)が好打。
自陣の金にヒモをつけつつ、王手で6一の金も狙う一石三鳥の一手だ。
この角打ちはこの戦法でよく出る筋なのでこの際、覚えておこう。
その後▲2二歩△同 金▲5三銀と中央に狙いを定め、以下寄り筋となった。
この将棋の総棋譜は以下から
参考棋譜1(対居玉+△4四銀)対△4四歩型
動く将棋盤は以下のリンクから
https://shogi.io/kifus/234696
序盤で▲4五桂を防ごうと△4四歩と止めても▲4五歩からの仕掛けが成立する。
この▲6六角打が急所。△4三歩は▲5三桂成△同銀▲1一角成があり、△2二角も▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲3四飛で後手陣は収拾がつかない。
参考棋譜2(対居玉+△4四銀)▲5八玉型
動く将棋盤は以下のリンクから
https://shogi.io/kifus/234698
この戦法は金銀にヒモが付くことが理由で▲5八玉型とも相性が良い。
単騎の桂跳ねから▲3四飛と横歩を取った上図は後手は受けが困難になっている。
この瞬間が飛車の横利きが効いていないのが痛いのだ。
参考棋譜3(対居玉+△4四銀)▲4四飛~▲5三桂成
動く将棋盤は以下のリンクから
https://shogi.io/kifus/234699
この局面もやはり5二の金が飛車の横利きを遮断してしまっているためにきれいに技がかかった。
以下は△4三金右に▲4四飛△同 金▲5三桂成となって大成功。
参考棋譜4(対居玉+△4四銀)後手早繰り銀
動く将棋盤は以下のリンクから
https://shogi.io/kifus/234700
後手の△7五歩~△7五同銀の仕掛けに対して▲4五桂を決行した。
早繰り銀に対してもこの▲4五桂速攻は有力である。
狙うタイミングとしては△7五同銀と取ってきた局面がいい。
上図から△同銀▲5五角と進めば飛車、香両取りとなり切り返しに成功した格好だ。
参考棋譜5(対居玉+△4四銀)後手棒銀
動く将棋盤は以下のリンクから
https://shogi.io/kifus/234701
棒銀に対しても▲4五桂速攻は有力だ。上図から△3三桂は▲4四飛△同歩▲5三桂成、△4二玉には▲6六角打としておいて次に▲4四飛△同歩▲同角の攻めを狙うのがいい。
参考棋譜6(対居玉+△4四銀)▲3四飛~▲2二歩
動く将棋盤は以下のリンクから
https://shogi.io/kifus/234702
▲3四飛に対して△4二玉と受けるのは▲2二歩が痛打となる。
以下△3三桂には▲2一歩成としておいて、△2五角▲3三桂成△同 金▲同飛成△同 銀▲3五金として、打ってきた角を目標に攻めていく要領だ。
参考棋譜7(対居玉+△4四銀)▲4六歩省略の▲4五桂
動く将棋盤は以下のリンクから
https://shogi.io/kifus/234703
成否は微妙ながら▲4六歩を省略しての▲4五桂も可能性はある。
桂損くらいだとなんとかなってしまうケースも多い。ただ、よほど上手く攻めないとすぐに攻めが切れるので注意。
参考棋譜8(対居玉+△4四銀)後手棒銀
動く将棋盤は以下のリンクから
https://shogi.io/kifus/234704
対棒銀。 やはり▲4五桂速攻は有効である。
△2二歩と低く受ける形には▲1五角~▲2六角とスイッチバック。
参考棋譜9(対居玉+▲6六銀)※後手番△6五桂速攻
動く将棋盤は以下のリンクから
https://shogi.io/kifus/234705
対居玉+▲6六銀。以下、△6六飛が厳しい。
参考棋譜10(対居玉+▲6六銀)※後手番△6五桂速攻
動く将棋盤は以下のリンクから
https://shogi.io/kifus/234706
▲2九飛型には△8六歩。ここで▲5五角打には△7三角打としておく。
▲同歩△同飛▲8七歩には△8一飛と引いておいて後手満足の分かれ。
対角換わり▲4五桂、△6五桂速攻(対居玉+△4四銀)のまとめ
攻めパターン1→▲4四飛 △同 歩 ▲5三桂成
攻めパターン2→△4四銀を狙っての▲6六角打
攻めパターン3→早繰り銀には▲5三桂成~▲5五角を狙う
その他よく出る筋→▲1六角打、▲2二歩、▲3四飛~▲2四歩~▲2四同飛~▲2九飛
角換わり▲4五桂速攻に対して居玉+△4四銀の展開は後手としてはやや妥協している意味合いがあり、どうも後手不満の展開になりやすいように思う。
次回(その3)は対居玉+△2二銀の復習をしていきたいと思う。
参考記事
www.fgfan7.com