はじめに
今まで3回にわたってみてきた角換わりの▲4五桂速攻。
居玉+△2二銀、居玉+△4四銀、また後手の△6五桂速攻について様々な実戦例をもとにして検討してきた。
その4では後手のその他の形をみていきたいと思う。
参考棋譜1(▲4八玉+▲6六銀)※後手番△6五桂速攻
動く将棋盤は以下のリンクから
https://shogi.io/kifus/234717
(上図からの指し手)
△8六歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲8七歩 △7六飛 ▲7七桂 △6九角(下図)
△6九角が痛打となった。先手は右玉を目指すのなら、25手目▲4八玉に代えて▲5八金としておいたほうがよいだろう。
参考棋譜2(△5二玉+△2二銀)
動く将棋盤は以下のリンクから
https://shogi.io/kifus/234718
(上図からの指し手)
▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △2三銀 ▲2九飛 △2四歩 ▲2二歩 △同 金 ▲3一角 △4四角 ▲5三桂成 △同 角 ▲2二角成(投了図)
まで39手で先手の勝ち
本譜は32手目に△2四歩と打ったために▲2二歩から鮮やかに技が決まった。
ここは△2二歩と打っておけば大変な勝負で、以下▲2四歩打 △1二銀▲3八金△4四歩▲5三桂成△同 玉▲5六銀△6二玉▲4九飛(参考図)
のような展開が予想された。
参考棋譜3(△4一玉+△5四銀)
動く将棋盤は以下のリンクから
https://shogi.io/kifus/234719
△4一玉+△5四銀型には▲3五歩△同歩▲4五桂がアクロバティックな仕掛けだ。
参考棋譜4(△4二玉+△4四銀)
動く将棋盤は以下のリンクから
https://shogi.io/kifus/234720
ここからは後手の最強の対策△4二玉型について見ていこうと思う。
上図は▲4五桂に対して△4四銀と上がった局面だが、ここは△2二銀も有力。
以下、▲6六銀△7三銀▲5五銀△5二金▲5八玉△3三桂▲同 桂成△同 銀▲2九飛(参考図)
といった変化が一例で互角。では本譜の進行を見てみよう。
(本譜局面図再掲)
(上図からの指し手)
▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △2三歩 ▲3四飛 △3三桂 ▲2四歩 △7三銀 ▲5六角 △4五桂 ▲同 歩 △3三銀 ▲2三歩成 △同 金 ▲3五飛(下図)
上図まで進んだがこの進行は先手あまり上手くいかなかった。
▲3五飛の局面で△2四金と指されていたら先手苦しかっただろう。
以下、▲3三飛成△同 玉▲2五歩打△同 金▲4四歩△同 歩▲3四銀打△4二玉▲2五銀と攻めるが△4六角打(参考図)が厳しい。
この▲4五桂速攻という戦法は攻めが決まると一気に決まるがそうでないと後手からの反撃も非常に厳しくなる。
本譜は△2四金でなく△2六角だったので▲6八玉 △3五角 ▲同 歩 △2二金 ▲3四桂(下図)
と進み、先手優勢となった。
参考棋譜5(△4二玉+△3四銀)
動く将棋盤は以下のリンクから
https://shogi.io/kifus/234814
(上図からの指し手)
▲5六角 △5四銀 ▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △2三角 ▲5三桂成 △同 金 ▲3四角
(途中図)
△同 角 ▲同 飛 △2三角 ▲3二飛成 △同 角 ▲7一角 △7二飛 ▲5一銀
(投了図)
まで45手で先手の勝ち
後手の△3四銀には▲5六角が急所の一手になる。本譜は鮮やかな寄せ。
ただ、△3四銀に代えて△2二銀なら仕掛けが成立していたかは微妙なところだ。
以下、ソフトの検討では▲2四歩△同 歩▲7七角打△4四角打▲2四飛△7七角成▲同 銀△2三銀▲2二歩打△2四銀▲2一歩成△2九飛打▲3四桂打(下図)
…と進んで難解な形勢となった。
角換わり▲4五桂速攻、その他の形のまとめ
・右玉模様には▲4一角(△6九角)が急所になる。
・△5二玉+△2二銀には▲2二歩△同金▲3一角の筋を狙う。
・△4一玉+△5四銀(△6一金)には▲3五歩△同歩▲4五桂が成立する。
・▲4五桂速攻に対しては△4二玉型が最大の難敵となる。
△3四銀と受ける形には▲5六角が急所となる。