コンピュータ将棋研究Blog

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ponanzaチャレンジへの道(前編)

はじめに

今年もこのイベントの季節がやってきた。

第1期 電王戦 直前イベント 「電王PONANZAに勝てたら賞金300万円!!」 | ニコニコ動画

さっそくルールから確認する。

先ほどのURLから抜粋すると
・持ち時間:10分・秒読み10秒
・挑戦者が先手
・千日手は指し直し(指し直し局は先後入れ替え、持ち時間は10分・秒読み10秒)
・入玉将棋となった場合は27点法(宣言法)を採用する。
・256手目の時点で勝負がついていない場合は引き分け(その場合指しなおしは無し)

このあたりが特に重要となるだろう。

基本的に昨年とルールは変わっていないようだ。

特に挑戦者が先手固定なのでponanzaの棋譜を参考にする際には、ponanzaが後手番の場合の棋譜を参考にするのがよいと思う。(先後でponanzaの指し方が異なるため。)

今回は参考にする棋譜を

①ponanzaがfloodgateに現れた棋譜(2015年11月17日から11月20日まで)

②第3回電王トーナメント(2015年11月21日から11月23日まで)

③将棋倶楽部24での棋譜(2015年12月7日から12月13日まで)

の3つに絞って分析をすることにする。

まずその絞った全112局の統計を調べてみると、

先手(下手)勝ち: 5
後手(上手)勝ち: 107
千日手    : 0
持将棋    : 0
先手(下手)勝率: 0.045
後手(上手)勝率: 0.955
平均手数   : 102.473

(中断局はponanza勝勢の場合、ponanzaの勝ちとした。)

と後手のponanzaは勝率9割5分強の成績を残している。

 

次に戦型別の割合を見てみる。

戦型  棋譜数 割合(%) 先手勝率
────────────────────────────
(なし): 61 54.5% 0.033
1: 横歩取り: 21 18.8% 0.048
2: 角換わり: 8 7.1% 0.000
3: 矢倉: 6 5.4% 0.000
4: 四間飛車: 6 5.4% 0.000
5: 相掛かり: 4 3.6% 0.250
6: 中飛車: 3 2.7% 0.333
7: 三間飛車: 2 1.8% 0.000
8: ひねり飛車: 1 0.9% 0.000
────────────────────────────
計 112 100% 0.045

となっている。

ponanzaに勝った将棋の5局の戦型の内訳は

「その他(△7四歩取らせ)が2局、相掛かりが1局、中飛車が1局、横歩取りが1局」となっている。

まとめ

今回このようなデータでponanzaの将棋を調べてみたが、改めて今回の企画はかなり挑戦者にとって厳しいものだと感じた。(賞金の金額から言って当たり前なのだが)

次回はponanzaに勝った5局の内容の詳しい分析とponanzaに負けはしたものの、惜しいところまでいった将棋の紹介をしたいと思う。