例の騒動もほぼ全容が明るみになりだしてきたが、そもそものことの発端は将棋ソフト「技巧」の不正利用が疑われたものだった。私は今回、技巧の歴史について改めて調べてみることにした。
今までの「技巧」の軌跡をたどっていきたい。
「技巧」初見参
第22回世界コンピュータ将棋選手権
http://www.computer-shogi.org/wcsc22/
戦績 一次予選 5勝2敗 3位通過(26チーム中)
二次予選 3勝5敗1分 18位(24チーム中)
出村さんがこの大会に向けて費やした開発期間は何と3ヶ月という短期間でのものだった。(作り始めたのも3ヶ月前から)
アピール文書参照
http://www.computer-shogi.org/wcsc22/appeal/Shogicraft/appeal.pdf
その中で一次予選を3位で通過したというのは見事と言うしかない。
ちなみにこの時の棋譜がダウンロードできたので
(下のリンクから)
http://www2.computer-shogi.org/kifu/kifu.html
何局か見てみたが、本格的な居飛車党という感じだった。まだ上位ソフトには中盤以降で力負けしているが、将棋のつくりは本格的で現在の技巧の原型がこの時点で既に出来上がっていたと言っても過言ではないのかもしれない。
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だが、「技巧」はこのwcsc22以降コンピュータ将棋の大会にはしばらく参加しなくなる。(同年の5五将棋には参加。)
その長らくの沈黙を破ったのが忘れもしないあの日だった。
(後編に続く)