コンピュータ将棋研究Blog

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対振り銀冠穴熊次の一手問題集①

はじめに

今回から不定期に戦型別に次の一手問題を出題していこうと思う。

第一回目は対振り銀冠穴熊。

まだまだこの戦型は情報量が少ないのでこの問題集によって戦い方のエッセンスを吸収していただきたい。

出題形式は今までと同じ。

では始めていきたい。

第1問

ponanza-990XEE vs. ZAKO (2014-10-09 19:00)

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角交換型の中盤戦。先手は▲3七角と角を手放し、相手の玉に狙いをつけている。

ここでその意思を継ぐ構想は?

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【第1問解答】▲7七桂(解答図)

f:id:fg_fan7:20170318140815p:plain

▲7七桂からどんどんコビン攻めを狙っていく。

以下、△1五角 ▲同 角 △同 歩 ▲3七角 △8一玉 ▲7八金右 △6九角 ▲4八飛 △3五歩▲同 歩 △2四歩 ▲6六歩 △同 歩 ▲同 銀 △3六歩 ▲2八角 △2五歩 ▲7九金(途中図)

f:id:fg_fan7:20170318141959p:plain

ここで角を補充して

△8七角成 ▲同 金 △2六歩 ▲2三歩 △同 飛 ▲4一角△2二飛 ▲6三角成 △同 金 ▲6四歩 △6二金 ▲6三金 △6一歩 ▲6二金 △同 飛 ▲6五桂(下図)

f:id:fg_fan7:20170318142132p:plain

強襲が決まった。▲2三歩~▲4一角~▲6三角成が敵陣を弱体化させる好着となった。

第2問

YssL_1000k vs. NineDayFever_XeonE5-2690_16c (2014-06-14 20:00)

f:id:fg_fan7:20170318144110p:plain

すでに後手模様良しの局面だが、ここからさらに有利を拡大するには?

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【第2問解答】△7五歩(解答図)

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ここは相手の飛車を狙いにいくのがよい。まずは△7五歩と突き捨てる。

以下、▲同 歩 △9五歩 ▲同 歩 △同 香 ▲同 香 △7六歩 ▲5九角 △7七歩成
▲同 角 △同角成 ▲同 銀 △4四角(下図)

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と進んだ。この端で香車を捨てて攻めを継続させる手法はこの戦型で多く現れるので覚えておこう。

第3問

gpsfish_XeonX5680_12c_bid vs. TDA (2015-06-29 14:00)

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中盤の局面。うまく攻めを組み立てていきたいところだ。

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【第3問解答】△8六歩(解答図)

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開戦は歩の突き捨てからというセオリーに沿った一着。

以下、▲同 歩 △6五桂 ▲同 歩 △7七角成 ▲同 桂 △8六飛 ▲6四歩 △8九飛成
▲6三歩成 △6七歩 ▲9八飛 △8七角 ▲4八飛 △6八歩成 ▲同 飛 △6九角成 ▲6五飛 △4七馬 ▲同 金 △2九金 ▲1七玉 △1九金(途中図)

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▲3八角△1三香打 ▲6六角 △1五歩 ▲同 歩 △同 香 ▲1六歩 △同 香 ▲同 銀 △同 香 ▲同 玉 △9九龍 ▲1二歩 △同 玉 ▲1四歩 △1五歩▲同 飛 △1四銀 ▲同 飛 △1三香(下図)

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多少強引でも飛車先を突破して龍を作り、端を絡めて形勢を勝勢に持っていった。

第4問

ponanza-990XEE vs. Titanda_L (2014-10-12 08:30)

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局面は中盤の難所を迎えているところである。

後手陣の急所を突く指し手と言えばどこだろうか?

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【第4問解答】▲8五歩(解答図)

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銀冠の弱点は玉頭。そこに着目して▲8五歩と突くのが決断の一手となる。

本譜は△7五歩と攻めを緩和しようとしたが、

以下、▲8四歩 △同 銀 ▲7五角 △同銀右 ▲同 歩 △同 銀 ▲2四飛 △同 歩 ▲7六歩 △8六歩 ▲7五歩(途中図)

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△8七歩成 ▲同金右 △8六歩 ▲8三歩 △同 金 ▲8六金 △8五歩 ▲8七金引 △8六銀 ▲8四歩 △同 金 ▲7四銀(下図)

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と進み、先手一手勝ちが見込める展開となった。

銀冠と銀冠穴熊で同じ玉頭攻めになった場合、深さの分だけ銀冠穴熊に利があるとみていいだろう。

まとめ

今回は計4問を出題した。

銀冠穴熊に限った話ではないが攻め方のパターンを多く知っているほうが有利である。

仮に同一局面でなくとも、引き出しが多いと応用として活かせる場面が出てくるはずだ。

 

参考書籍