コンピュータ将棋研究Blog

Twitterアカウントsuimon@floodgate_fanによるコンピュータ将棋研究ブログです。

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角換わり腰掛け銀△6二金・8一飛・4二玉型での△6五歩速攻▲5八金型①

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角換わり腰掛け銀において今最も注目されている形と言えば、

▲4八金・2九飛型(△6二金・8一飛型)であろう。

この形は先後両方で指すことができるが、今回は後手番でこの仕掛けが成立するかをテーマとしていきたい。

先手番での同様の仕掛けはこちらのブログが詳しい。

角換わり腰掛け銀▲4八金・2九飛△5二金型 : 将棋はソフト指しでおk

なおこのテーマを執筆する際には、第2期叡王戦本戦、▲広瀬 △千田 2016-09-25の序盤の手順を参考手順とした。

http://www.eiou.jp/kifu_player/20160925-2.html

(初手からの指し手)

▲7六歩 △3二金 ▲2六歩 △8四歩 ▲7八金 △8五歩
▲7七角 △3四歩 ▲8八銀 △7七角成 ▲同 銀 △2二銀
▲3八銀 △7二銀 ▲4六歩 △6四歩 ▲4七銀 △6三銀
▲6八玉 △7四歩 ▲5八金 △7三桂 ▲9六歩 △9四歩
▲5六銀 △3三銀 ▲1六歩 △1四歩 ▲7九玉 △4二玉
▲6六歩 △8一飛 ▲3六歩 △6二金 ▲3七桂 △5四銀
▲2五歩 △6五歩(下図)

f:id:fg_fan7:20160927103054p:plain

△4二玉型で仕掛けるのが最新型。後手は仕掛けまでに無駄な手がなく、これで攻めが成立しているならここまでの先手の駒組みに問題があるわけで、居飛車党にとっては最重要課題とも言える局面だ。

前述の▲広瀬△千田戦では△6五歩以下▲同歩△同桂▲6六銀と進んだが、本記事では▲6六銀に代えて▲6五同銀と桂を取る手順を研究していきたい。

(上図以降の指し手)

▲同 歩 △同 桂 ▲同 銀 △同 銀 ▲6三歩(下図)

f:id:fg_fan7:20160927111104p:plain

この▲6三歩に対し△3一玉型の場合は△5二金と寄り、以下▲6四桂に△4二金右とさらに寄ることができたが今回は△4二玉型なので▲6四桂に対して△4二金右と寄ることができず、以下△5一金▲7二桂成△8三飛▲6二歩成と進んで先手良し。

△6一金は▲7三桂、△6三同金は▲7二角がそれぞれ激痛なので論外。

残るは△7二金、△8六歩、△7三金の3つだが、ここで△8六歩▲同歩の交換を入れることが果たして後手にとって得なのかは難しい(ソフトは非推奨)。△7三金はそこまで悪くないが、△7二金のほうが以下▲6四桂 △7三金と進み、▲6四桂を打たせた分だけやや得だろう。

(上図からの指し手)

△7二金 ▲6四桂 △7三金(下図)

f:id:fg_fan7:20160927113411p:plain

私はこの将棋を実戦で1局経験があり、△7三金以下、▲6二歩成△6四金▲7二角△8二飛▲6一角成と進んだ。そこで△5四金と指せば後手有利だったが、△7五歩と誤った為、▲5二馬△3一玉▲5三馬と進んで難しい将棋になった。

後手は先攻して気分はいいが玉型は薄いので中盤戦では正確な指し手が要求される。

(上図以下の指し手)

▲2四歩 △同 歩▲6二歩成 △6四金 ▲4五桂 △4四銀 ▲6三と △5四金
▲2四飛 △2三歩 ▲3四飛 △3三歩(下図)

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先手は▲2四歩の突き捨てを入れてから▲4五桂と攻めたが、後手は丁寧に受け、上図の△3三歩と受けた局面まで進み、次第に先手の攻めが息切れしてきた。

この局面まで進みソフト形勢判断は

評価値 -306 読み筋 ▲4四飛(34) △同 歩(43) ▲5三桂成(45) △同 金(54) ▲7二角打 △4一飛(81) ▲5三と(63) △同 玉(42) ▲2二歩打 △2八飛打 ▲6四歩打 △6二歩打 ▲6八金(58) △2二金(32) ▲5五金打 △5四銀打 ▲6六銀打 △5五銀(54) ▲6五銀(66) △3二角打 ▲5四銀打 △4二玉(53) ▲5六歩(57) △3四歩(33) ▲5五歩(56) △3三玉(42) ▲6三歩成(64) △2四玉(33) ▲8八玉(79)

となり、後手有利を示した。(ここから先は各自で研究願いたい。)

まとめ

角換わり腰掛け銀△6二金・8一飛・4二玉型での△6五歩速攻は千田五段をはじめとしてプロ間での最新型であり、その成否は最重要課題であるが、今回の研究では最終的に後手有利という結論になった。(ソフトはSILENT_MAJORITY最新版+Apery最新評価関数(0917)を使用した。)

今後のフリーソフトの発展によってこの結論は変わるかもしれないが現時点ではこの仕掛けは非常に有力であると言える。先手としては初めの図の前の駒組みで工夫が必要とされるかもしれない。

最新のフリーソフト同士で対戦させると角換わり腰掛け銀において▲4八金△6二金の同型の将棋が多くみられ、その形の研究も今後進むと思われる。

今後も目の離せない戦型になりそうである。

2016年10月8日(土)~10日(月・祝)にかけて行われる、

第4回 将棋電王トーナメント | ニコニコ動画

においてもこの戦型が現れるのではないかと私は予想している。

最新のソフトがどのような指し手を選ぶのかといったことにも興味は尽きない。

電王トーナメントにも是非注目していただきたい。

(次回の更新はその第4回 将棋電王トーナメント以降になります。)