はじめに
現代将棋において、先手振り飛車は大いに注目を浴びている分野だ。
その中でも角道オープン型の向かい飛車と先手中飛車は勝率も高く、人気がある。
今回は先手中飛車に対するコンピュータ将棋ソフト「AWAKE」による有力な後手の対抗策を紹介したい。
先手中飛車対AWAKEの実戦例
動く将棋盤は以下のリンクから
棋戦:wdoor+floodgate-900-0+Test+AWAKE_i7_2620M_2c+20141007023002
先手:Test
後手:AWAKE_i7_2620M_2c
(初期局面)
(初手からの指し手)
▲7六歩 △8四歩 ▲5六歩 △8五歩 ▲7七角 △5四歩 ▲5八飛(途中図)
△5二金右 ▲4八玉 △4二玉 ▲6八銀 △3四歩▲3八玉 △3二玉 ▲2八玉 △6二銀▲3八銀 △5三銀(途中図)
▲1六歩 △1四歩 ▲4六歩 △4四歩 ▲5五歩 △同 歩▲同 飛 △4三金 ▲5九飛△4二銀上(途中図)
▲5七銀 △7四歩 ▲5六銀(下図)
先手の中飛車に対して後手が△3二玉型で対抗した。
上図は先手が▲5六銀と銀を立った局面だが、ここで後手からの意表の仕掛けがあった。
(上図からの指し手)
△8六歩▲同歩△8八歩▲同角△8六飛▲7八金(下図)
△8六歩~△8八歩という軽快な攻めで8六に飛車を走った。
先手は▲7八金で攻めを受け止めたようにも見えたが。
(上図からの指し手)
△8八飛成(下図)
後手からすぐに攻める手はないかと思われた局面で、なんと△8八飛成という大技があった。
(上図からの指し手)
▲同 金 △6八角 ▲7七桂 △5九角成 ▲同 金 △7九飛 ▲4九金 △1三角(下図)
△6八角に対して本譜は▲7七桂と跳ねたが、ここでは飛車を取らせないために▲5八飛と上がっておく手も有力だった。
本譜は飛車を取った後に、△1三角と角を使って難解な勝負となった。
(結果は後手の勝ち)
この将棋の総棋譜は以下から