コンピュータ将棋研究Blog

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小林宏七段との指導対局(雁木VS腰掛け銀)

はじめに

小林宏七段と指導対局をする機会があったのでせっかくなので「雁木」で教わろうと思い参加することにした。

結果、非常に勉強になったので今回記事にすることにした。

実戦譜

動く再生盤は↓のリンクから

指導対局(雁木VS腰掛け銀) | Shogi.io(将棋アイオー)

(初期局面)

初期局面
後手:小林宏七段

後手の持駒:なし

  9 8 7 6 5 4 3 2 1

+---------------------------+

|v香v桂v銀v金v玉v金v銀v桂v香|一

| ・v飛 ・ ・ ・ ・ ・v角 ・|二

|v歩v歩v歩v歩v歩v歩v歩v歩v歩|三

| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|四

| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五

| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|六

| 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩|七

| ・ 角 ・ ・ ・ ・ ・ 飛 ・|八

| 香 桂 銀 金 玉 金 銀 桂 香|九

+---------------------------+

先手:私

先手の持駒:なし

手数=0    まで

(上図からの指し手)
▲2六歩 △3四歩 ▲2五歩 △3三角 ▲7六歩 △2二銀 ▲4八銀 △8四歩 ▲6六歩(下図)

手数=9 ▲6六歩 まで
後手:小林宏七段

後手の持駒:なし

  9 8 7 6 5 4 3 2 1

+---------------------------+

|v香v桂v銀v金v玉v金 ・v桂v香|一

| ・v飛 ・ ・ ・ ・ ・v銀 ・|二

|v歩 ・v歩v歩v歩v歩v角v歩v歩|三

| ・v歩 ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・|四

| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五

| ・ ・ 歩 歩 ・ ・ ・ ・ ・|六

| 歩 歩 ・ ・ 歩 歩 歩 ・ 歩|七

| ・ 角 ・ ・ ・ 銀 ・ 飛 ・|八

| 香 桂 銀 金 玉 金 ・ 桂 香|九

+---------------------------+

先手:私

先手の持駒:なし

手数=9  ▲6六歩  まで



後手番



初手▲2六歩は予定。

それに対する△3四歩はやや意外だったが(△8四歩を予想していた)、▲2五歩と突き越し、その後▲6六歩と止めて雁木を目指した。

(上図からの指し手)
△8五歩 ▲7七角 △3二金 ▲7八金 △6二銀 ▲6八銀△6四歩 ▲6七銀 △6三銀(下図)

手数=18 △6三銀 まで
後手:小林宏七段

後手の持駒:なし

  9 8 7 6 5 4 3 2 1

+---------------------------+

|v香v桂 ・v金v玉 ・ ・v桂v香|一

| ・v飛 ・ ・ ・ ・v金v銀 ・|二

|v歩 ・v歩v銀v歩v歩v角v歩v歩|三

| ・ ・ ・v歩 ・ ・v歩 ・ ・|四

| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五

| ・ ・ 歩 歩 ・ ・ ・ ・ ・|六

| 歩 歩 角 銀 歩 歩 歩 ・ 歩|七

| ・ ・ 金 ・ ・ 銀 ・ 飛 ・|八

| 香 桂 ・ ・ 玉 金 ・ 桂 香|九

+---------------------------+

先手:私

先手の持駒:なし

手数=18  △6三銀  まで

後手の作戦は△6三銀型となった。

ここは作戦の分岐点で、早繰り銀にする指し方やじっくり矢倉に組む展開も考えられた。

(上図からの指し手)
▲5八金 △4一玉 ▲3六歩 △7四歩 ▲4六歩 △5一角 ▲4七銀 △5二金 ▲3七桂(下図)

手数=27 ▲3七桂 まで
後手:小林宏七段

後手の持駒:なし

  9 8 7 6 5 4 3 2 1

+---------------------------+

|v香v桂 ・ ・v角v玉 ・v桂v香|一

| ・v飛 ・ ・v金 ・v金v銀 ・|二

|v歩 ・ ・v銀v歩v歩 ・v歩v歩|三

| ・ ・v歩v歩 ・ ・v歩 ・ ・|四

| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五

| ・ ・ 歩 歩 ・ 歩 歩 ・ ・|六

| 歩 歩 角 銀 歩 銀 桂 ・ 歩|七

| ・ ・ 金 ・ 金 ・ ・ 飛 ・|八

| 香 桂 ・ ・ 玉 ・ ・ ・ 香|九

+---------------------------+

先手:私

先手の持駒:なし

手数=27  ▲3七桂  まで

後手番

△6三銀型は後手も速攻を仕掛けにくいので序盤は比較的穏やかな展開になりやすい。

一応、先手は右玉の含みも残しつつの駒組みだが、実際は右玉にはしにくいと考えていた。

(上図からの指し手)
△3三銀 ▲6九玉 △5四銀▲5六銀右 △9四歩 ▲9六歩 △7三角 ▲7九玉 △3一玉 ▲1六歩 △1四歩 ▲2九飛 △4二金右(下図)

手数=40 △4二金右 まで
後手:小林宏七段

後手の持駒:なし

  9 8 7 6 5 4 3 2 1

+---------------------------+

|v香v桂 ・ ・ ・ ・v玉v桂v香|一

| ・v飛 ・ ・ ・v金v金 ・ ・|二

| ・ ・v角 ・v歩v歩v銀v歩 ・|三

|v歩 ・v歩v歩v銀 ・v歩 ・v歩|四

| ・v歩 ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五

| 歩 ・ 歩 歩 銀 歩 歩 ・ 歩|六

| ・ 歩 角 銀 歩 ・ 桂 ・ ・|七

| ・ ・ 金 ・ 金 ・ ・ ・ ・|八

| 香 桂 玉 ・ ・ ・ ・ 飛 香|九

+---------------------------+

先手:私

先手の持駒:なし

手数=40  △4二金右  まで

淡々と駒組みが続く。

後手の△4二金右は大きな一手で3三の地点の強化となっている。

駒組みは次第に飽和点に達し、いよいよ中盤戦に入るといったところである。

(上図からの指し手)

▲8八玉 △8四角 ▲4五桂(下図)

手数=43 ▲4五桂 まで
後手:小林宏七段

後手の持駒:なし

  9 8 7 6 5 4 3 2 1

+---------------------------+

|v香v桂 ・ ・ ・ ・v玉v桂v香|一

| ・v飛 ・ ・ ・v金v金 ・ ・|二

| ・ ・ ・ ・v歩v歩v銀v歩 ・|三

|v歩v角v歩v歩v銀 ・v歩 ・v歩|四

| ・v歩 ・ ・ ・ 桂 ・ 歩 ・|五

| 歩 ・ 歩 歩 銀 歩 歩 ・ 歩|六

| ・ 歩 角 銀 歩 ・ ・ ・ ・|七

| ・ 玉 金 ・ 金 ・ ・ ・ ・|八

| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 飛 香|九

+---------------------------+

先手:私

先手の持駒:なし

手数=43  ▲4五桂  まで

後手番

ここからは互いにどの形で仕掛けるのが最善か?という駆け引きである。

9/11におこなわれた、王将戦 深浦九段-阿久津八段戦では下図のような形で▲4五桂と跳ねていった(結果は終盤に逆転し深浦九段の勝ち)。

手数=39 ▲4五桂 まで
後手:阿久津八段

後手の持駒:なし

  9 8 7 6 5 4 3 2 1

+---------------------------+

|v香v桂 ・ ・v角 ・v玉v桂v香|一

| ・v飛 ・ ・ ・v金v金 ・ ・|二

| ・ ・ ・ ・v歩v歩v銀v歩 ・|三

|v歩 ・v歩v歩v銀 ・v歩 ・v歩|四

| ・v歩 ・ ・ ・ 桂 ・ 歩 ・|五

| 歩 ・ 歩 歩 銀 歩 歩 ・ 歩|六

| ・ 歩 角 銀 歩 ・ ・ ・ ・|七

| ・ ・ 金 ・ 金 ・ ・ 飛 ・|八

| 香 桂 玉 ・ ・ ・ ・ ・ 香|九

+---------------------------+

先手:深浦九段

先手の持駒:なし

手数=39  ▲4五桂  まで

後手番

また、9/6におこなわれた王将戦 阿久津八段-森内九段戦では、下図のような形で△9二香~△9五歩と仕掛けていった(結果は阿久津八段の勝ち)。

手数=50 △9五歩 まで
後手:森内九段

後手の持駒:なし

  9 8 7 6 5 4 3 2 1

+---------------------------+

| ・v飛 ・ ・ ・ ・v玉v桂v香|一

|v香 ・ ・ ・ ・v金v金 ・ ・|二

| ・ ・v桂 ・v歩v銀v角v歩 ・|三

| ・ ・v歩v歩v銀v歩v歩 ・v歩|四

|v歩v歩 ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五

| 歩 ・ 歩 ・ 銀 歩 歩 角 歩|六

| ・ 歩 銀 歩 歩 ・ 桂 ・ ・|七

| ・ ・ 金 金 ・ ・ ・ ・ ・|八

| 香 桂 玉 ・ ・ ・ ・ 飛 香|九

+---------------------------+

先手:阿久津八段

先手の持駒:なし

手数=50  △9五歩  まで

後手番

本局では▲8八玉△8四角▲4五桂という手順で仕掛けていった。

その他の指し方としては▲1八香~▲1五歩という仕掛けも有力。

また、▲6八金右を入れておくかも難しいところである。

 (局面図再掲)

手数=43 ▲4五桂 まで
後手:小林宏七段

後手の持駒:なし

  9 8 7 6 5 4 3 2 1

+---------------------------+

|v香v桂 ・ ・ ・ ・v玉v桂v香|一

| ・v飛 ・ ・ ・v金v金 ・ ・|二

| ・ ・ ・ ・v歩v歩v銀v歩 ・|三

|v歩v角v歩v歩v銀 ・v歩 ・v歩|四

| ・v歩 ・ ・ ・ 桂 ・ 歩 ・|五

| 歩 ・ 歩 歩 銀 歩 歩 ・ 歩|六

| ・ 歩 角 銀 歩 ・ ・ ・ ・|七

| ・ 玉 金 ・ 金 ・ ・ ・ ・|八

| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 飛 香|九

+---------------------------+

先手:私

先手の持駒:なし

手数=43  ▲4五桂  まで

後手番

(上図からの指し手)
△4四銀 ▲2四歩△同 歩 ▲同 飛 △2三歩 ▲2九飛 △7三桂 ▲3五歩(下図)

手数=51 ▲3五歩 まで
後手:小林宏七段

後手の持駒:なし

  9 8 7 6 5 4 3 2 1

+---------------------------+

|v香 ・ ・ ・ ・ ・v玉v桂v香|一

| ・v飛 ・ ・ ・v金v金 ・ ・|二

| ・ ・v桂 ・v歩v歩 ・v歩 ・|三

|v歩v角v歩v歩v銀v銀v歩 ・v歩|四

| ・v歩 ・ ・ ・ 桂 歩 ・ ・|五

| 歩 ・ 歩 歩 銀 歩 ・ ・ 歩|六

| ・ 歩 角 銀 歩 ・ ・ ・ ・|七

| ・ 玉 金 ・ 金 ・ ・ ・ ・|八

| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 飛 香|九

+---------------------------+

先手:私

先手の持駒:歩 

手数=51  ▲3五歩  まで

後手番

▲4五桂に対して本譜は△4四銀。ここで△2二銀は前述の深浦九段-阿久津八段戦のような展開を想定していた。

そして2筋の歩を交換しておく。

△2三歩には▲3四飛という手もあったようだが、△2二玉と上がられてその後がわからなかった。(その展開も▲3二飛成という強襲をみせて有力だったようだ)

本譜は▲2九飛。

そして△7三桂に▲3五歩と攻めの第二弾を放っていった。

形勢は先手+100ほどでほぼ互角。

(上図からの指し手)
△同 歩 ▲1五歩 △同 歩 ▲3三歩 △同 桂 ▲1五香 △同 香 ▲3四歩(下図)

手数=59 ▲3四歩 まで
後手:小林宏七段

後手の持駒:香 歩三 

  9 8 7 6 5 4 3 2 1

+---------------------------+

|v香 ・ ・ ・ ・ ・v玉 ・ ・|一

| ・v飛 ・ ・ ・v金v金 ・ ・|二

| ・ ・v桂 ・v歩v歩v桂v歩 ・|三

|v歩v角v歩v歩v銀v銀 歩 ・ ・|四

| ・v歩 ・ ・ ・ 桂v歩 ・v香|五

| 歩 ・ 歩 歩 銀 歩 ・ ・ ・|六

| ・ 歩 角 銀 歩 ・ ・ ・ ・|七

| ・ 玉 金 ・ 金 ・ ・ ・ ・|八

| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 飛 ・|九

+---------------------------+

先手:私

先手の持駒:なし

手数=59  ▲3四歩  まで

後手番

先手は1筋で香車を捨てて▲3四歩とクサビを打って攻めていった。

似たような攻め筋を角換わり腰掛け銀の将棋で経験したことがあったのでこの将棋でも応用できるのではないかと対局中は考えていた。

実際この攻め筋は成立していたようで(先手+200ほど)、

中盤の仕掛けまでは上手く指せていたようだ。

(上図からの指し手)
△4五桂▲同 歩 △同銀右 ▲同 銀 △同 銀 ▲3三銀(下図)

手数=65 ▲3三銀 まで
後手:小林宏七段

後手の持駒:銀 桂 香 歩四 

  9 8 7 6 5 4 3 2 1

+---------------------------+

|v香 ・ ・ ・ ・ ・v玉 ・ ・|一

| ・v飛 ・ ・ ・v金v金 ・ ・|二

| ・ ・v桂 ・v歩v歩 銀v歩 ・|三

|v歩v角v歩v歩 ・ ・ 歩 ・ ・|四

| ・v歩 ・ ・ ・v銀v歩 ・v香|五

| 歩 ・ 歩 歩 ・ ・ ・ ・ ・|六

| ・ 歩 角 銀 歩 ・ ・ ・ ・|七

| ・ 玉 金 ・ 金 ・ ・ ・ ・|八

| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 飛 ・|九

+---------------------------+

先手:私

先手の持駒:桂 

手数=65  ▲3三銀  まで

後手番

64手目△同銀までは必然の進行。

私は65手目に▲3三銀と打ち込んだが、どうやらここで形勢を損ねたようだ。

正着は▲6三銀打で以下、△6二桂 ▲2五飛 △2四銀 ▲同 飛 △同 歩 ▲7一銀 △9二飛 ▲6二銀引不成 △6五歩 ▲5一銀不成(参考図)と進んで先手がわずかに指せていた。

手数=75 ▲5一銀不成 まで
後手:後手

後手の持駒:飛 香 歩四 

  9 8 7 6 5 4 3 2 1

+---------------------------+

|v香 ・ ・ ・ 銀 ・v玉 ・ ・|一

|v飛 ・ ・ ・ ・v金v金 ・ ・|二

| ・ ・v桂 銀v歩v歩 ・ ・ ・|三

|v歩v角v歩 ・ ・ ・ 歩v歩 ・|四

| ・v歩 ・v歩 ・v銀v歩 ・v香|五

| 歩 ・ 歩 歩 ・ ・ ・ ・ ・|六

| ・ 歩 角 銀 歩 ・ ・ ・ ・|七

| ・ 玉 金 ・ 金 ・ ・ ・ ・|八

| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|九

+---------------------------+

先手:先手

先手の持駒:桂二 

手数=75  ▲5一銀不成  まで

後手番

しかし、対局中はこのようなB面攻撃の手順は全く見えておらず、直接手の▲3三銀以外思いつかなかった。

今後はより盤面を広く見て手を考えていくことが課題だと思った。

(局面図再掲)

手数=65 ▲3三銀 まで
後手:小林宏七段

後手の持駒:銀 桂 香 歩四 

  9 8 7 6 5 4 3 2 1

+---------------------------+

|v香 ・ ・ ・ ・ ・v玉 ・ ・|一

| ・v飛 ・ ・ ・v金v金 ・ ・|二

| ・ ・v桂 ・v歩v歩 銀v歩 ・|三

|v歩v角v歩v歩 ・ ・ 歩 ・ ・|四

| ・v歩 ・ ・ ・v銀v歩 ・v香|五

| 歩 ・ 歩 歩 ・ ・ ・ ・ ・|六

| ・ 歩 角 銀 歩 ・ ・ ・ ・|七

| ・ 玉 金 ・ 金 ・ ・ ・ ・|八

| 香 桂 ・ ・ ・ ・ ・ 飛 ・|九

+---------------------------+

先手:私

先手の持駒:桂 

手数=65  ▲3三銀  まで

後手番

(上図からの指し手)
△3四銀 ▲3二銀成 △同 玉 ▲4六桂 △4五銀 ▲6五歩 △2四香 ▲4九飛 △6五桂(下図)

手数=74 △6五桂 まで
後手:小林宏七段

後手の持駒:銀二 桂 歩六 

  9 8 7 6 5 4 3 2 1

+---------------------------+

|v香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|一

| ・v飛 ・ ・ ・v金v玉 ・ ・|二

| ・ ・ ・ ・v歩v歩 ・v歩 ・|三

|v歩v角v歩v歩 ・ ・ ・v香 ・|四

| ・v歩 ・v桂 ・v銀v歩 ・v香|五

| 歩 ・ 歩 ・ ・ 桂 ・ ・ ・|六

| ・ 歩 角 銀 歩 ・ ・ ・ ・|七

| ・ 玉 金 ・ 金 ・ ・ ・ ・|八

| 香 桂 ・ ・ ・ 飛 ・ ・ ・|九

+---------------------------+

先手:私

先手の持駒:金 

手数=74  △6五桂  まで

▲3三銀に対する△3四銀が盤上この1手の味の良い受け。

小林七段はここでよくなったと感じたそうだ。

実際、ソフトの形勢判断もここで後手に大きく触れた。

それだけ▲3三銀打のところで▲6三銀打を逃した罪は大きかったのである。

74手目△6五桂で評価値は先手-1065と大苦戦。

しかし対局中はまだまだだと思っていた。

(上図からの指し手)
▲2二金△4一玉 ▲6六角 △5二玉 ▲2三金 △8六桂 ▲8四角 △7八桂成 ▲同 銀 △8四飛 ▲6六角(下図)

手数=85 ▲6六角 まで
後手:小林宏七段

後手の持駒:角 金 銀二 歩六 

  9 8 7 6 5 4 3 2 1

+---------------------------+

|v香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|一

| ・ ・ ・ ・v玉v金 ・ ・ ・|二

| ・ ・ ・ ・v歩v歩 ・ 金 ・|三

|v歩v飛v歩v歩 ・ ・ ・v香 ・|四

| ・v歩 ・v桂 ・v銀v歩 ・v香|五

| 歩 ・ 歩 角 ・ 桂 ・ ・ ・|六

| ・ 歩 ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・|七

| ・ 玉 銀 ・ 金 ・ ・ ・ ・|八

| 香 桂 ・ ・ ・ 飛 ・ ・ ・|九

+---------------------------+

先手:私

先手の持駒:桂 歩 

手数=85  ▲6六角  まで

後手番

▲2二金△4一玉 ▲6六角は角を手持ちにすれば▲6三角の王手銀取り狙いだが、△5二玉とかわされて次第に先手の息切れ感が漂ってきた。

△8六桂は後手待望の反撃。矢倉戦でも頻出するこの桂打が最速の寄せである。

本譜は▲6六角でなんとか粘る方針。

かわりに△6六角とこのラインに打たれるとほぼゲームセットなのでこれしかない粘りである。

(上図からの指し手)
△4四角 ▲同 角 △同 歩 ▲6六角 △8一飛(下図)

手数=90 △8一飛 まで
後手:小林宏七段

後手の持駒:角 金 銀二 歩六 

  9 8 7 6 5 4 3 2 1

+---------------------------+

|v香v飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|一

| ・ ・ ・ ・v玉v金 ・ ・ ・|二

| ・ ・ ・ ・v歩 ・ ・ 金 ・|三

|v歩 ・v歩v歩 ・v歩 ・v香 ・|四

| ・v歩 ・v桂 ・v銀v歩 ・v香|五

| 歩 ・ 歩 角 ・ 桂 ・ ・ ・|六

| ・ 歩 ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・|七

| ・ 玉 銀 ・ 金 ・ ・ ・ ・|八

| 香 桂 ・ ・ ・ 飛 ・ ・ ・|九

+---------------------------+

先手:私

先手の持駒:桂 歩 

手数=90  △8一飛  まで

△4四角に対しては▲5五桂のほうがまだチャンスはあったが、それでも△7五銀▲同歩△8六歩と攻められてどうやら先手1手負けのようだ。

どうもすでに先手に勝ちがなくなっている。

後手は落ち着いて△8一飛と引いておき盤石の体制となった。

(上図からの指し手)
▲4三歩 △4一金 ▲3三金 △8六歩 ▲同 歩 △8五歩 ▲3四桂 △8六歩 ▲8四歩 △7五銀(下図)

手数=100 △7五銀 まで
後手:小林宏七段

後手の持駒:角 金 銀 歩六 

  9 8 7 6 5 4 3 2 1

+---------------------------+

|v香v飛 ・ ・ ・v金 ・ ・ ・|一

| ・ ・ ・ ・v玉 ・ ・ ・ ・|二

| ・ ・ ・ ・v歩 歩 金 ・ ・|三

|v歩 歩v歩v歩 ・v歩 桂v香 ・|四

| ・ ・v銀v桂 ・v銀v歩 ・v香|五

| 歩v歩 歩 角 ・ ・ ・ ・ ・|六

| ・ ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・|七

| ・ 玉 銀 ・ 金 ・ ・ ・ ・|八

| 香 桂 ・ ・ ・ 飛 ・ ・ ・|九

+---------------------------+

先手:私

先手の持駒:桂 

手数=100  △7五銀  まで

先手もなお懸命に攻めを繋ごうとするが、右辺が団子状になっており攻めが重い。

左辺にも攻め駒を足して挟撃形を狙いたかったが自陣に火が付いているのでその暇がない。

そして100手目△7五銀が攻めの決め手となった。

(上図からの指し手)
▲4二歩成 △6二玉 ▲7五歩 △8四飛 ▲7四歩△8七銀 ▲7九玉 △7八銀成 ▲同 玉 △8七歩成 ▲6九玉 △7八と(下図)

手数=112 △7八と まで
後手:小林宏七段

後手の持駒:角 金 銀 歩七 

  9 8 7 6 5 4 3 2 1

+---------------------------+

|v香 ・ ・ ・ ・v金 ・ ・ ・|一

| ・ ・ ・v玉 ・ と ・ ・ ・|二

| ・ ・ ・ ・v歩 ・ 金 ・ ・|三

|v歩v飛 歩v歩 ・v歩 桂v香 ・|四

| ・ ・ ・v桂 ・v銀v歩 ・v香|五

| 歩 ・ ・ 角 ・ ・ ・ ・ ・|六

| ・ ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・|七

| ・ ・vと ・ 金 ・ ・ ・ ・|八

| 香 桂 ・ 玉 ・ 飛 ・ ・ ・|九

+---------------------------+

先手:私

先手の持駒:銀二 桂 歩 

手数=112  △7八と  まで


まで112手で小林宏七段の勝ち

あとは後手の正確な寄せを見るばかりとなった。

投了図以下は、▲同 玉 △6九銀 ▲同 飛 △8七角 ▲6七玉 △7六金 ▲6八玉 △6九角成 ▲同 玉 △8九飛成 ▲7九桂 △7七桂打 ▲同 角 △同桂不成 ▲5九玉△7九龍 ▲4八玉 △3九角 ▲3七玉 △3六飛 ▲4七玉 △5五桂(参考図)

手数=134 △5五桂 まで
後手:後手

後手の持駒:歩七 

  9 8 7 6 5 4 3 2 1

+---------------------------+

|v香 ・ ・ ・ ・v金 ・ ・ ・|一

| ・ ・ ・v玉 ・ と ・ ・ ・|二

| ・ ・ ・ ・v歩 ・ 金 ・ ・|三

|v歩 ・ 歩v歩 ・v歩 桂v香 ・|四

| ・ ・ ・ ・v桂v銀v歩 ・v香|五

| 歩 ・v金 ・ ・ ・v飛 ・ ・|六

| ・ ・v桂 ・ 歩 玉 ・ ・ ・|七

| ・ ・ ・ ・ 金 ・ ・ ・ ・|八

| 香 ・v龍 ・ ・ ・v角 ・ ・|九

+---------------------------+

先手:先手

先手の持駒:角 銀三 桂 歩二 

手数=134  △5五桂  まで

までの詰みとなる。

 まとめ

この指導対局の機会を知った時から小林宏先生に「雁木」で教わりたいと考えていたので結果的に実現できてとてもよかった。

序盤~中盤の仕掛けまではうまく指せていたが、中盤の59手目▲6三銀を逃した後は先手に勝ち筋がなく、厳しい勝負となった。

本文中でも触れたが、この▲6三銀のようなB面攻撃を指せるようになればもうワンランク上の将棋が指せるようになると思うので今後も頑張っていきたい。

小林宏先生の優勢になってからの指し回しは鋭く、私もこのようによどみなく終盤で寄せられるようになりたいと思った。

プロの技術を肌で感じることのできる貴重な経験となった。

またこのような機会があれば、自分なりのテーマを持って挑戦していきたい。