はじめに
アマチュア間では右玉の将棋は多いが、コンピュータも右玉の将棋は多い。
よって対策を考えるのにはコンピュータの将棋を参考にするのも有効だ。
今回はponanzaの角換わり右玉対策(△4三銀型)を紹介したい。
実戦例
開始日時:2015/03/15 10:30:01
棋戦:wdoor+floodgate-600-10+ponanza-990XEE+gpsfish_XeonX5680_12c+20150315103003
先手:ponanza
後手:gpsfish
動く将棋盤は以下のリンクから
https://shogi.io/kifus/176974
(初手からの指し手)
▲2六歩 △8四歩 ▲7六歩 △3二金 ▲7八金 △8五歩 ▲7七角 △3四歩 ▲8八銀 △7七角成 (途中図)
▲同 銀 △4二銀▲4八銀 △6二銀 ▲6八玉 △6四歩 ▲4六歩 △4四歩 ▲4七銀(下図)
戦型は角換わりとなった。
この当時、gpsfishは右玉を得意としていた。
△4四歩は右玉を視野に入れた駒組みだ。
(上図からの指し手)
△7四歩 ▲5六銀 △4三銀 ▲2五歩 △6三銀▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △2三歩 ▲2八飛 △1四歩 ▲9六歩 △9四歩 ▲7九玉 △7三桂 ▲6六歩 △3三桂▲8八玉
(下図)
後手は居玉で駒組みを続けている。
△4三銀型にしたので先手は▲2四歩から飛車先を切った。
(上図からの指し手)
△5二金 ▲5八金 △8一飛 ▲3六歩 △6二玉 ▲1六歩 △5四歩 ▲3七桂 △2一飛 ▲4八金 △2四歩(下図)
後手は△6二玉でいよいよ右玉の作戦を明示した。
△4三銀型の右玉は金銀の連結がよく、バランスが優れている。
そして△2一飛から△2四歩で2筋逆襲を目指した。
(上図からの指し手)
▲4五歩 △同 歩 ▲同 桂 △同 桂 ▲同 銀 △4四歩 ▲5六銀(下図)
ここから▲4五歩△同 歩▲同 桂で桂交換をし、桂馬を持ち駒にした。
(上図からの指し手)
△2五歩 ▲4五歩 △同 歩 ▲8三桂(下図)
ここから△2五歩▲4五歩△同 歩▲8三桂
と進んだ。
この▲8三桂が目の覚めるような一着。
次に▲7一角が妙に受けづらい。△7二玉なら▲9一桂成だ。
後手としてはこの手があるならどこかで△7二玉と寄っておく必要があったかもしれない。
この▲8三桂は筋として覚えていて損のない手だ。
(上図からの指し手)
△6九角▲7一角 △同 飛 ▲同桂成 △8六歩 ▲同 歩 △4四桂 ▲6七銀 △7一玉 ▲2一飛(下図)
本譜は▲7一角が実現し、右玉攻略に成功した。
▲2一飛で先手ペースとなった。
参考書籍
西尾 明 毎日コミュニケーションズ 2011-08-19