今回のテーマは対振り飛車の銀冠穴熊。
いろいろな振り飛車に対して銀冠穴熊で戦うケースを紹介していこうと思う。
銀冠穴熊に組むまでの大まかな手順
まず最初に銀冠穴熊に組むまでの大まかな手順を紹介する。
まず上図のように升田美濃と呼ばれる形に組む。
次に銀冠に組み上げる。
そして穴熊に組んで銀冠穴熊の完成となる。
ここまでの組み上げる手順は対局によって微妙に違っており、組み方も一つのポイントとなる。
対ノーマル四間飛車(美濃)
①対ノーマル四間飛車(美濃)
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とっておきの振り飛車退治~ponanza流銀冠穴熊~その1 | Shogi.io(将棋アイオー)
(初手からの指し手)
▲7六歩 △3四歩 ▲6六歩 △7四歩 ▲6八飛 △1四歩 ▲1六歩 △4二玉 ▲4八玉 △6二銀 ▲3八銀 △5二金右 ▲3九玉 △8四歩 ▲7八銀△5四歩 ▲6七銀 △3二銀 (途中図)
▲2八玉 △3一玉 ▲5六歩 △8五歩 ▲7七角 △7三桂 ▲5八金左 △5三銀 (下図)
早めの△7四歩などはponanzaらしい手順。後手から急戦含みで仕掛ける順もちらつくが、ここからさらに駒組みが続く。
(上図からの指し手)
▲4六歩 △3三角 ▲3六歩 △4四歩▲4七金 △6四銀 ▲7八飛 △4三金 ▲3七桂 △2四歩 ▲2六歩 △2三銀(途中図)
▲2七銀 △3二金 ▲3八金 △2二玉 ▲9六歩 △1二香 ▲6八角△1一玉 ▲7七角 △2二金 (途中図)
▲6八角 △4二角 ▲8八飛 △3三金寄 ▲5七角 △3二金引 ▲9五歩 △5五歩(下図)
はじめに書いた組み方のような手順で銀冠穴熊に組み上げた。
駒組みが飽和状態になり△5五歩から仕掛ける。
このように自陣を堅陣にしてから仕掛けるのが基本となる。
急戦を仕掛ける場合もあるが、それは振り飛車側の駒組みをみてのこと。
相手の駒の配置をよく見ることが大事である。
対ノーマル三間飛車
②対ノーマル三間飛車
とっておきの振り飛車退治~ponanza流銀冠穴熊~その2 | Shogi.io(将棋アイオー)
(初手からの指し手)
▲7六歩 △4二玉 ▲7八飛 △3四歩 ▲6六歩 △3二銀 ▲4八玉 △8四歩 ▲6八銀 △1四歩 ▲1六歩 △5二金右 ▲3八銀 △8五歩 ▲7七角△2四歩 ▲3九玉 △2三銀 (途中図)
▲5八金左 △6二銀 ▲5六歩 △3三角 ▲4六歩 △3二金 ▲3六歩 △5四歩 ▲4七金 △3一玉 ▲5七銀 △2二玉▲4五歩 △1二香 ▲4六銀 △1一玉(下図)
次に対ノーマル三間飛車の将棋を見てみる。
私の見解ではこの対ノーマル三間飛車への銀冠穴熊が最も有力とみている。
何故なら他の振り飛車よりも安全に銀冠穴熊に組むことができるからだ。
本局も危なげなく銀冠穴熊に組み上げることに成功した。
(上図からの指し手)
▲2八玉 △4二金右 ▲5八飛 △5三銀 ▲5五歩 △5二飛 ▲3七桂 △5五歩 ▲同 銀 △6四銀 ▲5四銀 △5五銀 ▲6三銀成 △5四飛(下図)
中央から戦いが始まったが、銀冠穴熊の遠さが活きる展開に。
先手の攻めの銀を空振りさせることに成功した。
銀冠穴熊はノーマル三間飛車には最も有力と言えるだろう。
対ノーマル中飛車
③対ノーマル中飛車
とっておきの振り飛車退治~ponanza流銀冠穴熊~その3 | Shogi.io(将棋アイオー)
(初手からの指し手)
▲7六歩 △3四歩 ▲5八玉 △4四歩 ▲7八銀 △5四歩 ▲4八銀 △4二銀 ▲6八玉 △4三銀 ▲4六歩 △5二飛 ▲9六歩 △6二玉 ▲9五歩△7二玉 ▲7九玉(途中図)
△8二玉 ▲7七角 △7二銀 ▲5八金右 △6四歩 ▲8八玉 △5一金左 ▲5六歩 △6二金左 ▲8六歩(途中図)
△6三金 ▲8七銀 △7四歩 ▲7八金 △7三桂 ▲4七銀 △1四歩 ▲9八香 △3三角 ▲9九玉(下図)
3手目に▲5八玉と指しているので実質後手番となっている。
基本的な駒組みの仕方は変わらないが、△6五桂が角銀両取りにならないように▲4七銀型に組む。
これで後手から△6五桂などで動く手順を消している。
(上図からの指し手)
△2四歩 ▲6八金右 △8四歩 ▲8八金 △8三銀 ▲7八金右 △7二金 ▲2六歩
△2二飛 ▲3六歩 △5三金 ▲3七桂 △6三金寄 ▲2五歩 △同 歩 ▲同 飛(下図)
両金を玉側に寄せて囲いを完成させた後は、▲2五歩 △同 歩 ▲同 飛と飛車をぶつけて開戦した。
すべての駒が有効活用されており、本局も銀冠穴熊の理想といった手順であろう。
対四間飛車穴熊
④対四間飛車穴熊
最後に対四間飛車穴熊の銀冠穴熊を見て終わりとする。
ponanzaは振り穴には銀冠穴熊を好むようだ。
とっておきの振り飛車退治~ponanza流銀冠穴熊~ その4 | Shogi.io(将棋アイオー)
(初手からの指し手)
▲7六歩 △3二金 ▲6八飛 △8四歩 ▲4八玉 △8五歩 ▲7七角 △1四歩 ▲3八玉 △1五歩 ▲2八玉 △6二銀 ▲6六歩 △3四歩 ▲7八銀△4二玉 ▲1八香 △3三角 ▲1九玉 △2四歩 ▲2八銀 △2二銀 ▲6七銀 △2三銀 (途中図)
▲3九金 △3一玉 ▲5八金 △5二金 ▲4六歩 △2二玉▲3六歩 △5四歩 ▲4七金 △5三銀 ▲4五歩 △1二香 ▲3八飛 △4四歩 ▲同 歩 △同 銀 ▲6五歩 △4三金右 ▲5六歩 △1一玉(下図)
長手数進めたが、難しい手順ではない。基本の手順で銀冠穴熊に組み上げた。
ここからの手順が見事。
(上図からの指し手)
▲6六銀△4五歩 ▲3七金 △3五歩 ▲5八飛 △3六歩 ▲同 金 △7四歩 ▲3七金 △5二飛 ▲3八金引 △2五歩(途中図)
▲4七歩 △3四金 ▲3七歩 △7三桂▲9五角 △7二飛 ▲7五歩 △9四歩 ▲8四角 △7五歩 ▲同 角 △6五桂(下図)
玉頭戦で厚みを作り、右桂を捌くことに成功した上図は後手優勢。
△2五歩と先手陣にプレッシャーをかける指し方や△6五桂から攻め駒をうまく活用する指し方を見習いたところだ。
銀冠穴熊の優秀性がわかる一局だった。
まとめ
ponanzaはどんな振り飛車に対しても銀冠穴熊を好む。
金銀の連結が美しく、評価を高く見ているのだろう。
私もこの升田美濃→銀冠→銀冠穴熊の駒組みを目指す、銀冠穴熊システムとも呼べる作戦を指しはじめてから対振り飛車の勝率が上がった。
現在、対振り飛車に苦しめられている人はこの作戦を取り入れてみてはいかがだろうか?
藤井システムのような激しい変化になりにくいので対振りには急戦党という方もこのような指し回しを覚えてみると戦術の幅が広がると思う。
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参考書籍