コンピュータ将棋研究Blog

Twitterアカウントsuimon@floodgate_fanによるコンピュータ将棋研究ブログです。

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ponanzaに学ぶ、最大の難敵先手中飛車攻略③

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はじめに

前回、前々回の続き

www.fgfan7.com

 

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(基本図)

f:id:fg_fan7:20161126174540p:plain

 ponanzaに学ぶ、最大の難敵先手中飛車攻略②では先手中飛車に対する、基本図から▲5七銀の変化をみてきた。
 今回の➂では基本図から▲6六歩の変化をみていきたいと思う。

これには⑴△7五歩⑵△6四銀が有力手となる。順にみていこう。

⑴△7五歩の変化

参考棋譜①

将棋ウォーズ棋譜(tanaka_wataru11級対2016Pona九段)

(初手からの指し手)

▲7六歩 △8四歩 ▲5六歩 △8五歩 ▲7七角 △6二銀 ▲5五歩 △7四歩 ▲5八飛 △1四歩 ▲1六歩 △4二玉 ▲6八銀 △7三銀 ▲6六歩 △7五歩 ▲6七銀 △7六歩 ▲同 銀 △3二玉 ▲6五歩 △7二飛(下図)

f:id:fg_fan7:20161218175946p:plain

この将棋では序盤早々に後手から△1四歩と突いて1筋の端歩を突き合っているが、

私の見解ではこの端歩は後手の居飛車側に得になることが多い思う。

その理由は以下のツイートを参照。

さて本譜の検討を進める。

△7五歩は速攻の一手。▲6七銀 △7六歩 ▲同 銀と進んだ局面で一旦、△3二玉と寄っておく。この一手は将来の攻め合いの際に一路離れているのが大きいという判断だろう。▲6五歩 △7二飛と進んで7筋からの攻略を目指す。

(上図からの指し手)

▲6六角 △6四歩 ▲5四歩 △同 歩 ▲同 飛 △6二銀(途中図) ▲7五歩 △6三銀
▲5八飛 △6五歩 ▲同 銀 △6四歩 ▲5四銀 △5二金右 ▲5三歩 △5四銀 ▲同 飛 △6三金 ▲5八飛 △5六歩
まで42手で後手の勝ち(投了図略)

f:id:fg_fan7:20161218180638p:plain

途中図の△6二銀が感触のいい一手。先手は居玉なので飛車交換などの強い戦いができないところがつらい展開だ。例えば本譜、△6三銀に対して▲5三飛成は△5二飛とぶつけるのが絶好の一手となる。

ではもう一局みてみよう。

参考棋譜②

将棋ウォーズ棋譜(miya_with_r九段対2016Pona九段)

(基本図からの指し手)

▲6六歩 △7五歩 ▲同 歩 △6四銀 ▲6七銀 △7五銀 ▲6八角 △8六歩 ▲同 歩 △8八歩 ▲7七桂 △3四歩 ▲4八玉 △8九歩成 ▲6五桂 △6四銀(下図)

f:id:fg_fan7:20161218181453p:plain

本局では△7五歩に対して▲同 歩と取る変化。これには△6四銀から一目散に銀を繰り出していく。そして8筋にと金を作り、▲6五桂に対して冷静に△6四銀と引いて受けた局面は後手大成功と言っていい展開だ。

後の進行は棋譜を参考にしてほしい。後手の玉型は薄いが攻めと受けのタイミングを学び取ってほしい。

 ⑵△6四銀の変化

(基本図再掲)

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参考棋譜③

将棋ウォーズ棋譜(tanaka_wataru17級対2016Pona九段)

(基本図からの指し手)

▲6六歩 △6四銀 ▲6五歩 △同 銀 ▲6七銀 △7二飛 ▲4八玉 △3四歩 ▲3八玉 △5二金右 ▲5九角 △7五歩 ▲同 歩 △同 飛 ▲7八飛 △7六歩 ▲6六歩 △5五角(下図)

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▲6六歩で後手の銀が動きにくくなったように思えるが、ここで△5五角が好手となった。以下▲6五歩 △9九角成と進んで後手が一本取った形だ。

この攻め筋はもう一局類似局があるのでそちらも参考にしていただきたい。

参考棋譜④

将棋ウォーズ棋譜(tanaka_wataru15級対2016Pona九段)

++++++++++++

さて、ここまで3回に渡り、先手中飛車対策を見てきたわけだが、実は先手にもまだまだ工夫の余地があり、一筋縄ではいかないのが現状だ。

例えば、これまで見てきた将棋は序盤早々に▲5五歩と位を取る指し方だったが、▲5五歩と突かない5筋位取り保留型も有力なのだ。

例えば次のような将棋である。

 ukamuse_furibisya_book vs. Gikou_120_abc_NB7 (2016-12-16 14:30) http://wdoor.c.u-tokyo.ac.jp/shogi/view/2016/12/16/wdoor+floodgate-300-10F+ukamuse_furibisya_book+Gikou_120_abc_NB7+20161216143002.csa

(初手からの指し手)

▲7六歩 △8四歩 ▲5六歩 △6二銀 ▲5八飛 △4二玉 ▲4八玉 △7四歩 ▲3八銀 △7三銀 ▲3九玉 △8五歩 ▲7七角 △6四銀 ▲7八銀(下図)

f:id:fg_fan7:20161218191057p:plain

▲5五歩を保留し、玉の囲いを優先。そして▲7八銀型で支える。

ここでは後手からの手が広く①△7五歩②△3二玉➂△5二金右④△3四歩⑤△7三桂⑥△7二飛などが有力手となるがそのすべてをここでは研究しきれないので今回は本譜の展開をみていこう。

(上図からの指し手)

△7五歩 ▲同 歩 △同 銀 ▲2八玉 △3二玉 ▲5五角 △6四銀 ▲4六角 △8六歩 ▲同 歩 △8八歩 ▲7七桂 △8六飛 ▲6四角 △同 歩 ▲8五銀(下図)

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先手は▲5五角~▲4六角と転換したのが面白い構想。本譜は後手が8筋から攻めたものの、▲6四角 △同 歩 ▲8五銀が見事な切り替えしとなり、後手の飛車を捕らえることに成功した。こうなると玉形の差で先手が有利である。

この先手の5筋位取り保留型の中飛車はかなり有力で現段階では後手に工夫が求められているいう結論にさせていただきたい。