コンピュータ将棋研究Blog

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【将棋上達への道】終盤での正確な寄せ

はじめに

将棋で勝つためには終盤力の向上が大事である。

そのためには詰将棋を解くことや必死、そして寄せの問題を数多く解くことが上達につながる。

参考書籍

参考記事

www.fgfan7.com

今回の記事ではfloodgateの実戦を題材として、終盤の寄せを学んでいきたいと思う。

実戦例

動く将棋盤は以下のリンクから

https://shogi.io/kifus/232670

開始日時:2018/10/02 18:30:00
棋戦:wdoor+floodgate-300-10F+F13+illqha1.1_i9-7920X_12c+20181002183003
先手:F13
後手:illqha1.1_i9-7920X_12c

(98手目の局面)

手数=98 △3二金 まで
後手:illqha
後手の持駒:銀二 桂 歩三 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
| と ・ と ・ ・ ・v飛 ・v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ 龍v金v玉 ・|二
|v歩 ・ と ・v歩 ・v桂v歩 ・|三
| ・ ・ ・v歩 ・ ・v歩 ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ ・ ・v角v歩 ・ ・ 歩|六
| 歩 ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 歩 ・|七
| ・ ・ ・ 玉 ・v金 ・ ・ ・|八
| 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手:F13
先手の持駒:角 金二 銀二 桂 香 
手数=98  △3二金  まで

上図は終盤の局面で後手が△3二金と合駒をしたところだ。

ここで龍取りだからと▲4六龍と引き上げると△6五桂(参考図)で一気に形勢は逆転する。

手数=100 △6五桂 まで
後手:後手
後手の持駒:銀二 歩三 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
| と ・ と ・ ・ ・v飛 ・v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・v金v玉 ・|二
|v歩 ・ と ・v歩 ・v桂v歩 ・|三
| ・ ・ ・v歩 ・ ・v歩 ・v歩|四
| ・ ・ ・v桂 ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ ・ ・v角 龍 ・ ・ 歩|六
| 歩 ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 歩 ・|七
| ・ ・ ・ 玉 ・v金 ・ ・ ・|八
| 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手:先手
先手の持駒:角 金二 銀二 桂 香 歩 
手数=100  △6五桂  まで

参考図以下、①▲5六龍には△7七銀から詰み。②▲4八龍にも△7七銀▲6九玉△6七角成で後手の勝ち筋となる。

(98手目局面図再掲)

手数=98 △3二金 まで
後手:illqha
後手の持駒:銀二 桂 歩三 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
| と ・ と ・ ・ ・v飛 ・v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ 龍v金v玉 ・|二
|v歩 ・ と ・v歩 ・v桂v歩 ・|三
| ・ ・ ・v歩 ・ ・v歩 ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ ・ ・v角v歩 ・ ・ 歩|六
| 歩 ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 歩 ・|七
| ・ ・ ・ 玉 ・v金 ・ ・ ・|八
| 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手:F13
先手の持駒:角 金二 銀二 桂 香 
手数=98  △3二金  まで

△3二金に対しては▲1三銀(下図)が必殺の寄せである。

手数=99 ▲1三銀 まで
後手:illqha
後手の持駒:銀二 桂 歩三 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
| と ・ と ・ ・ ・v飛 ・v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ 龍v金v玉 ・|二
|v歩 ・ と ・v歩 ・v桂v歩 銀|三
| ・ ・ ・v歩 ・ ・v歩 ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ ・ ・v角v歩 ・ ・ 歩|六
| 歩 ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 歩 ・|七
| ・ ・ ・ 玉 ・v金 ・ ・ ・|八
| 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手:F13
先手の持駒:角 金二 銀 桂 香 
手数=99  ▲1三銀  まで
後手番

▲1三銀に対して△同玉と取ると▲2五桂が継続手だ。

▲2五桂に①△2四玉は▲1五銀△同 歩▲1四金△同 玉▲1五歩△2四玉▲1四金△同 香▲1三角△2五玉▲2六香までで詰みとなる。

また②△同桂には▲3三銀△同 金▲2二角△2四玉▲2六香(参考図)

手数=107 ▲2六香 まで
後手:後手
後手の持駒:銀四 桂二 歩三 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
| と ・ と ・ ・ ・v飛 ・v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ 龍 ・ 角 ・|二
|v歩 ・ と ・v歩 ・v金v歩 ・|三
| ・ ・ ・v歩 ・ ・v歩v玉v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v桂 ・|五
| ・ ・ ・ ・v角v歩 ・ 香 歩|六
| 歩 ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 歩 ・|七
| ・ ・ ・ 玉 ・v金 ・ ・ ・|八
| 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手:先手
先手の持駒:金二 
手数=107  ▲2六香  まで
後手番

と進めば後手に受けはなく先手の勝ち筋となる。

(99手目局面図再掲)

手数=99 ▲1三銀 まで
後手:illqha
後手の持駒:銀二 桂 歩三 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
| と ・ と ・ ・ ・v飛 ・v香|一
| ・ ・ ・ ・ ・ 龍v金v玉 ・|二
|v歩 ・ と ・v歩 ・v桂v歩 銀|三
| ・ ・ ・v歩 ・ ・v歩 ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ ・ ・v角v歩 ・ ・ 歩|六
| 歩 ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 歩 ・|七
| ・ ・ ・ 玉 ・v金 ・ ・ ・|八
| 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手:F13
先手の持駒:角 金二 銀 桂 香 
手数=99  ▲1三銀  まで
後手番

よって本譜は▲1三銀に対して△同香と取ったが、そこで▲2四桂(下図)が好手だった。

手数=101 ▲2四桂 まで
後手:illqha
後手の持駒:銀三 桂 歩三 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
| と ・ と ・ ・ ・v飛 ・ ・|一
| ・ ・ ・ ・ ・ 龍v金v玉 ・|二
|v歩 ・ と ・v歩 ・v桂v歩v香|三
| ・ ・ ・v歩 ・ ・v歩 桂v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ ・ ・v角v歩 ・ ・ 歩|六
| 歩 ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 歩 ・|七
| ・ ・ ・ 玉 ・v金 ・ ・ ・|八
| 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手:F13
先手の持駒:角 金二 銀 香 
手数=101  ▲2四桂  まで
後手番

ここで△4二金と龍を取ると▲1二金で即詰みとなるため、ここは△同歩(下図)と取るよりない。

手数=102 △2四同歩 まで
後手:illqha
後手の持駒:銀三 桂二 歩三 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
| と ・ と ・ ・ ・v飛 ・ ・|一
| ・ ・ ・ ・ ・ 龍v金v玉 ・|二
|v歩 ・ と ・v歩 ・v桂 ・v香|三
| ・ ・ ・v歩 ・ ・v歩v歩v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ ・ ・v角v歩 ・ ・ 歩|六
| 歩 ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 歩 ・|七
| ・ ・ ・ 玉 ・v金 ・ ・ ・|八
| 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手:F13
先手の持駒:角 金二 銀 香 
手数=102  △2四同歩  まで

△2四同歩に対して▲2一銀(下図)がとどめの決め手となった。

手数=103 ▲2一銀 まで
後手:illqha
後手の持駒:銀三 桂二 歩三 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
| と ・ と ・ ・ ・v飛 銀 ・|一
| ・ ・ ・ ・ ・ 龍v金v玉 ・|二
|v歩 ・ と ・v歩 ・v桂 ・v香|三
| ・ ・ ・v歩 ・ ・v歩v歩v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|五
| ・ ・ ・ ・v角v歩 ・ ・ 歩|六
| 歩 ・ ・ 歩 ・ ・ 歩 歩 ・|七
| ・ ・ ・ 玉 ・v金 ・ ・ ・|八
| 香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手:F13
先手の持駒:角 金二 香 
手数=103  ▲2一銀  まで
後手番

▲2一銀に対して①△同玉には▲2三金で後手玉に必死が掛かる。

また、②△同飛には▲2三香△1一玉(△同玉は▲1二角以下)▲2一香成△同 玉▲3一飛△1二玉▲3二飛成△2二桂▲同 龍までの詰みがある。

実戦は▲2一銀に対して後手は先手玉に王手をかけたが詰みはなく、以下後手の投了となった。

この将棋の総棋譜は以下から

まとめ

・終盤は速度計算が大事。駒取りになっていてもすぐに逃げる手を指すのではなく、他になにかいい手はないかを考えてみる。

・捨て駒は失敗するとリスクがあるが、相手側の応手を一手一手読んでいき正確な勝ちを読み切る。

・終盤は相手玉を詰ますだけでなく、自玉に詰みがないのなら相手玉に必死をかければ勝ち。自玉と相手玉の安全度を見極める。

参考書籍